悪質なSEO業者の見分け方|「必ず1位」の勧誘と契約の注意
会社のホームページを持っていると、「検索で上位に表示させます」「今なら成果が出るまで無料です」といった SEO の勧誘が、電話やメール、問い合わせのフォームから届きます。多くは普通の営業ですが、中には、できないことを約束したり、サイトの評価を下げる手法を使ったりする業者もいます。
この記事では、Google が検索セントラルで注意をうながしている内容を物差しにして、悪質な SEO 業者の見分け方と、断り方、契約の注意をまとめます。個別の契約の判断は、必要に応じて弁護士などの専門家に相談してください。
Google が注意をうながしている業者の行動
Google の検索セントラルの「SEO 業者の利用を検討する」のページでは、次のような業者に気をつけるよう案内しています。
| 業者の行動 | 何が問題か |
|---|---|
| 順位を保証する | Google で一番上に掲載されることは、誰にも保証できない |
| Google との特別な関係を強調する | Google は特定の業者を優遇していない |
| 身に覚えのないメールで勧誘してくる | 不審な勧誘の典型 |
| 何をするのかを隠す、説明しない | 使う手法を明かせない理由がある |
| リンクを買うことをすすめる | Google のポリシーに反する |
| 何千もの検索エンジンに登録すると宣伝する | 意味のない作業を価値があるように見せている |
このページでは、隠し立てする会社や、行動の目的をはっきり説明しない会社に用心するように、とも書かれています。
よくある勧誘の言葉と、その裏側
「必ず1位にします」「上位表示を保証します」
誰にも保証できないことを約束している時点で、説明が正確でない業者です。「保証」の中身をよく聞くと、ほとんど誰も探さない語で1位にする、という意味だったということもあります。
「被リンクを増やして順位を上げます」
Google のスパムに関するポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例として挙げています。業者が用意したサイトから自社のサイトへリンクを張る、お金を払ってリンクを載せてもらう、といった手法は、これに当たるおそれがあります。
「記事を毎月たくさん作ります」
記事を増やすこと自体は悪いことではありません。ただし、同じポリシーは、ユーザーにとっての価値を加えずに、生成 AI などを使って大量のページを作ることも、スパムとして扱っています。本数の多さを売りにする提案は、1本ごとの中身を見本で確かめてください。
「今月だけの特別価格です」
その場で決めさせようとする業者は、比べられると困る理由があると考えた方が安全です。まともな業者は、見積もりを持ち帰って検討する時間をくれます。
「ホームページの制作と SEO をセットで、月々の支払いで」
制作と SEO をまとめて、長い期間の月払いやリースの形で契約させる提案もあります。途中でやめられない、やめると残りを一括で払う、という条件になっていないかを確かめます。リースの形の注意はホームページのリース契約とはで説明しています。
勧誘のメールでよく見る書き方
問い合わせのフォームやメールで届く SEO の勧誘には、次のような書き方がよく見られます。
- 「貴社のサイトを拝見し、重大な問題が見つかりました」と不安をあおるが、どのページのどんな問題かは書いていない
- 「Google の評価が下がっています」と、根拠を示さずに言い切る
- 送り主の会社名や所在地、担当者の名前がはっきりしない
- 返信を急がせる期限が書かれている
こうしたメールに書かれた「無料の診断」のリンクを開いたり、サイトの管理の画面の情報を送ったりするのは避けます。自社のサイトの問題が気になるときは、勧誘してきた業者ではなく、自分で選んだ会社に診断を頼みます。
社内で決めておくこと
勧誘の電話やメールは、経営者ではなく、事務の担当者が受けることも多いものです。「ホームページや検索の勧誘には、その場で返事をしない」「サイトの管理の画面のパスワードや、アクセスの解析の道具の情報は、誰にも教えない」と、社内で決めておくと安心です。
被害が大きくなりやすい理由
悪質な SEO の被害は、払った費用だけでは済まないことがあります。
- ポリシーに反する手法でサイトの評価が下がり、もともと来ていた検索からの訪問も減る
- 業者がサイトの管理の画面に入り、知らないうちにページや設定を変えている
- 記事の権利が業者にあり、契約をやめると記事を消される
- 長い契約期間の途中でやめられず、効果の無い支払いが続く
とくに、サイトの管理の画面のパスワードをそのまま業者に渡すと、何を変えられたのかを追えなくなります。業者には、業者用のアカウントを作って渡し、契約が終わったら外せる形にしておきます。
断り方
- 電話:「必要ありません。今後の連絡も不要です」と伝えて切る。理由は言わない
- メール、問い合わせのフォーム:返信しない。書かれた連絡先に電話しない
- 訪問:書類に署名せず、資料だけ受け取る
「検討します」と答えると、何度も連絡が来るきっかけになります。興味がないなら、はっきり断るのがお互いのためです。
契約の前に止まることが大切な理由
特定商取引法は、訪問販売や電話勧誘販売に、クーリング・オフなどの消費者を守る規定を定めています。ただし、同じ法律の26条は、営業のために、または営業として結んだ契約を、これらの規定の対象から外しています。会社やお店が事業のために結ぶ SEO の契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。
勧誘を受けたら、その場で署名せず、見積書と契約書を持ち帰り、ほかの会社と比べてください。比べ方はSEO会社の選び方で説明しています。
契約してしまった後に確かめること
すでに契約して「おかしい」と感じている場合は、次のことを確かめます。
- 契約書:最低の契約期間、途中でやめるときの費用、自動の更新、記事の権利
- サイトの変更:業者がサイトに何を加えたか。知らないページやリンクが増えていないか
- 権限:サイトの管理の画面、Search Console、アクセスの解析の道具に、業者がどの権限で入っているか
- 支払い:合意した額と請求の額が合っているか
契約をやめると決めたら、解約の連絡を書面で送り、記録を残します。やめた後は、業者の権限をすべて外し、パスワードを渡していた場合は変更します。契約の中身で争いになりそうなら、契約書と勧誘の記録(日時、相手の名前、言われたこと)をまとめて、弁護士などの専門家に相談してください。
まともな業者の見分け方
悪質な業者の反対を考えると、まともな業者の特徴が見えてきます。
- 順位を約束せず、何をするかと、どう報告するかを約束する
- 自社のサイトを調べたうえで、問題点と打ち手を説明する
- 使う手法と、その理由を聞けば答える
- 見積もりを持ち帰って比べる時間をくれる
- 記事の権利や、サイトの権限の扱いを、契約書にはっきり書く
費用の目安はSEO対策を頼むときの費用相場に、Lapisデザインラボの SEO(検索対策・AI検索への対応)の作業の中身は運用・集客サポートに、契約の条件は月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
「上位表示を保証します」というSEO業者は信用できますか。
Google の検索セントラルの「SEO 業者の利用を検討する」のページには、Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できない、と書かれています。順位を保証する業者や、Google との特別な関係を強調する業者には注意するよう案内されています。保証をうたう勧誘は、それだけで慎重になる理由になります。
SEO業者がリンクを増やすと言っています。問題はありますか。
お金を払ってリンクを増やす形なら問題があります。Google のスパムに関するポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例として挙げています。ポリシーに反すると、検索結果での扱いが悪くなるおそれがあります。
SEOの契約は、クーリング・オフできますか。
特定商取引法は、営業のために、または営業として結んだ契約を、クーリング・オフなどの規定の対象から外しています(26条)。会社やお店が事業のために結ぶ SEO の契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。契約の前に立ち止まることが大切です。すでに契約して困っている場合は、弁護士などの専門家に相談してください。