旅館・宿のホームページ|予約サイトに頼りすぎない作り方

/ Lapisデザインラボ

旅館や民宿、ゲストハウスの予約の多くは、いまは予約サイトから入ってきます。予約サイトは、宿の名前を知らない人に見つけてもらうためにとても役立ちますが、予約のたびに手数料がかかり、客とのやり取りも予約サイトの決まりの中で行うことになります。

そこで、多くの宿は予約サイトを使いながら、公式のホームページでも予約を受けています。予約サイトで宿を見つけた人が、宿の名前で検索して公式のホームページを開き、そこで直接予約する、という流れを作るためです。この記事では、旅館や宿のホームページで直接の予約を受けるために何を載せるか、予約の仕組みをどう選ぶかをまとめます。

予約サイトと公式のホームページの役割を分ける

予約サイトをやめる必要はありません。それぞれが得意なことを分けて考えます。

予約サイト公式のホームページ
得意なこと宿を知らない人に見つけてもらう、口コミを集める宿の考え方や細かな様子を伝える、直接の予約を受ける
載せられる情報予約サイトの決まった枠の中自由に作れる(客室、食事、周りの案内、宿の人の紹介)
手数料予約ごとにかかる予約エンジンの利用料など。予約ごとの手数料は比べて選ぶ
客とのやり取り予約サイトの決まりに沿う宿が直接やり取りできる

公式のホームページを見に来る人は、すでにその宿に関心があります。そのため、予約サイトの説明を写すのではなく、予約サイトでは伝えきれない詳しさと、直接予約したときの利点を見せることが大切です。

宿のホームページに要るページ

ページ載せること
トップ宿の特徴を一言で、季節の写真、空室の検索と予約の入口
客室部屋ごとの写真、広さ、定員、寝具(布団かベッドか)、風呂やトイレの有無、眺め
食事夕食と朝食の内容、季節の献立の例、食物アレルギーへの対応の範囲
風呂・館内大浴場や貸切風呂の時間、館内の設備、バリアフリーの対応
宿泊プランと料金プランごとの内容と、税込の料金。宿泊税の扱い
宿泊の決まりチェックインとチェックアウトの時間、キャンセルの規定、子どもの料金、ペット、喫煙
アクセス最寄りの駅からの道、送迎の有無、駐車場
周りの案内宿の人がすすめる散歩の道、食事の店、季節の行事
よくある質問到着が遅れる場合、荷物の預かり、支払いの方法
予約の確認と取り消し予約エンジンの予約の確認画面への入口

客室のページは、予約サイトよりも詳しく作れる場所です。同じ「和室」でも、窓からの眺め、布団を敷いたときの広さ、段差の有無は部屋ごとに違います。写真は、部屋の全体、寝具、窓からの眺め、風呂と洗面所を、部屋ごとに同じ順番で並べると比べやすくなります。プロに撮影を頼む場合の準備はプロのカメラマンに撮影を頼むときの準備にまとめています。

アクセスのページは、到着の日に何度も開かれます。駅からの道の写真や、車で来る人向けの駐車場の入口の写真を載せると、電話の問い合わせが減ります。書き方はアクセスページの作り方で説明しています。

直接の予約を受ける仕組み

予約エンジンとサイトコントローラー

宿のホームページで予約を受けるには、空室と料金を表示して、予約と決済まで進める「予約エンジン」を使うのが一般的です。予約エンジンの多くは、複数の予約サイトの在庫をまとめて管理する「サイトコントローラー」とつながり、どこで予約が入っても空室の数が一か所で減るようになっています。選ぶときは、次の点を比べます。

  1. 今使っているサイトコントローラーや予約サイトとつながるか
  2. 予約ごとの手数料と、月々の利用料
  3. スマートフォンで予約を最後まで進めやすいか
  4. 英語など、外国語の予約画面があるか
  5. クレジットカードの事前決済や、現地払いを選べるか
  6. 予約の確認や取り消しを、客が自分でできるか

予約の仕組みの選び方の全体はホームページに予約機能を付ける方法で説明しています。

Googleの検索と地図からの予約の入口

宿の名前で検索すると、Googleの検索結果や地図に、予約サイトと並んで料金が表示されることがあります。Google for Developersの案内では、接続パートナー(予約エンジンなどの会社)がGoogleに料金を送信し、無料の予約リンクに掲載されるとされています。宿の運営者が直接Googleにつなぐ場合は、Googleのお問い合わせフォームから申し込む形とされています。

使っている予約エンジンが接続パートナーに当たるかどうかは、予約エンジンの会社に確かめます。ここに公式のホームページの料金が出ていれば、検索した人が予約サイトを経由せずに公式のホームページへ進めるようになります。

直接予約の利点を見せる

公式のホームページで予約する理由を、トップや料金のページで分かるように書きます。たとえば、公式のホームページだけのプラン、到着前に食事やアレルギーの相談ができること、宿と直接やり取りできることなどです。

「予約サイトより必ず安い」「最安値」と書く場合は、実際にいつでもそうなっていることを確かめられる場合に限ります。料金は予約サイトごと、日ごとに変わるため、根拠を示せない表現は避けます。表現の決まりはホームページの表現と景品表示法にまとめています。

料金と税の書き方

宿泊の料金は、消費税を含めた総額で表示します。2026年4月時点の国税庁の説明では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合は、表示の媒体を問わず総額表示の義務の対象とされています。料金の表には、1人あたりか1室あたりか、食事が付くかどうかも書きます。

自治体によっては、宿泊税がかかります。たとえば京都市では、2026年3月1日から宿泊税の金額が変わり、食事の料金や消費税などを除いた素泊まりの料金に応じて、1人1泊あたり200円から1万円までの段階で課税されています。宿泊税が料金に含まれているか、別に受け取るかを料金の表の近くに書き、金額の段階は自治体のページへのリンクで示すと、改定のたびに書き直す手間が減ります。

キャンセルの規定は、何日前から、料金の何割がかかるかを表にして、予約の画面と同じ内容をホームページにも載せます。

ゲストハウス・民宿で書いておくこと

ゲストハウスや民宿は、ホテルや旅館と違う点を先に書いておくと、到着してからの行き違いが減ります。

  • 相部屋か個室か、男女別の部屋があるか
  • 風呂、トイレ、台所などの共用の設備と、使える時間
  • チェックインの方法(受付の時間、暗証番号、鍵の受け渡し)
  • 門限や静かにする時間、共用の場所での決まり
  • タオルや寝間着など、用意しているものと持ってきてほしいもの

住宅宿泊事業法の届出で営業している宿は、観光庁の説明では、人を宿泊させる日数が年間180日までとされ、標識の掲示などの決まりもあります。予約を受け付ける期間や日数の管理は、予約エンジンの設定と合わせて決めておきます。宿のホームページには、旅館業の許可か住宅宿泊事業の届出か、営業の形を載せておくと、泊まる人が確かめやすくなります。

海外からの客への備え

海外からの客が多い宿では、英語などのページが予約の数を左右します。全部のページを訳すのが難しい場合は、客室、料金、宿泊の決まり、アクセス、予約の入口を優先します。とくに宿泊の決まり(チェックインの時間、キャンセルの規定、館内での決まり)は、予約の前に読んでもらえる場所に置きます。翻訳の頼み方と、更新の手間を減らす作り方はホームページの多言語化の費用と進め方で説明しています。

制作会社に伝えること

  1. 使っている予約サイト、サイトコントローラー、予約エンジン(決まっていなければその旨)
  2. 客室ごとの写真と情報、宿泊プランと料金の表
  3. 宿泊の決まりとキャンセルの規定、宿泊税の扱い
  4. 外国語のページの範囲と、翻訳を誰が用意するか
  5. 季節の写真やプランを、誰がどのくらいの間隔で入れ替えるか

予約エンジンは制作会社が選ぶものではなく、宿が契約するものです。先に決めておくと、ホームページへの組み込み方を早く決められます。京都の宿のホームページは京都のロゴ・ホームページ制作のページでも相談を受けています。Lapisデザインラボのホームページ制作の内容は、サービスと料金に載せています。

よくある質問

予約サイトに載っていれば、宿のホームページは要らないのではありませんか。

予約サイトは、宿を知らない人に見つけてもらう場所として役に立ちます。一方で、予約サイトで宿を見つけた人が、宿の名前で検索して公式のホームページを確かめることもあります。そこで宿の考え方や客室の詳しい様子、直接予約したときの利点が分かれば、直接の予約につながります。予約サイトと公式のホームページは、役割を分けて両方使うのが一般的です。

宿のホームページで直接の予約を受けるには、何が必要ですか。

空室と料金を表示して、そのまま予約と決済まで進める予約エンジンが必要です。多くの予約エンジンは、予約サイトの在庫をまとめて管理するサイトコントローラーとつながるため、空室の数を一か所で管理できます。予約エンジンの会社によっては、Googleの検索や地図に公式サイトへの予約リンクを出す仕組みにも対応しています。

ゲストハウスのホームページで気をつけることはありますか。

相部屋か個室か、共用の設備(風呂、トイレ、台所)、チェックインの方法と時間、門限の有無など、ホテルと違う点をはっきり書くことです。海外からの客が多い場合は、英語などのページを用意し、予約の前に読んでほしい決まりを分かりやすく示します。住宅宿泊事業法の届出で営業している場合は、年間の提供日数の上限があるため、受け付ける期間もあわせて確かめます。

参考にした資料

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