学習塾のホームページに要るページと問い合わせの導線

/ Lapisデザインラボ

学習塾を選ぶとき、保護者は近所の塾を何か所か比べ、ホームページで授業の形や料金、教室の様子を確かめてから、体験授業や面談を申し込みます。大手の塾と比べられることも多い小さな塾にとって、ホームページは「この塾ならではの教え方」を、会う前に伝えられる数少ない場所です。

この記事では、個人塾や小さな学習塾のホームページに置くページと、体験授業の申し込みまでつなぐ導線をまとめます。料金の載せ方と特定商取引法の決まり、合格実績の数え方と表示の注意、申し込みのフォームの作り方にも触れます。教室やスクールなど、学習塾以外の習い事のホームページは、同じ時期に公開した「教室・スクールのホームページ」の記事で扱っています。

塾のホームページで保護者が確かめたいこと

塾のホームページを最もよく見るのは保護者です。生徒本人も見ますが、申し込みと支払いを決めるのは多くの場合保護者なので、保護者の疑問に答えることを中心に組み立てます。

保護者が確かめたいこと答えるページ
どんな授業の形か(集団か個別か)指導の方針と授業の形
子どもの学年や目的に合うコースがあるかコースと時間割
1年間でいくらかかるか料金
どんな先生が教えるのか講師の紹介
成績は上がるのか、志望校に届くのか合格実績、成績の変化の例
夜の送り迎えや、教室の安全は大丈夫か教室の様子と安全への配慮
まず試せるか体験授業と面談の案内

学習塾のホームページに要るページ

ページ載せること
トップ対象の学年、授業の形、塾の特徴を一言で、体験授業の入口
指導の方針何を大切にして教えるか、宿題や家庭学習の考え方、保護者への報告の方法
コースと時間割学年ごとのコース、教科、曜日と時間、定員
料金入塾金、月謝、教材費、講習費、模試の費用。税込の総額
講師の紹介塾長と講師の顔と名前、担当の教科、教える上で大切にしていること
実績合格実績(数え方を明記)、成績の変化の例
教室の様子教室と自習室の写真、入退室の連絡の仕組み、自転車置き場や送迎の場所
体験授業・面談体験の流れ、所要時間、費用の有無、申し込みの方法
よくある質問振替の授業、部活との両立、途中から入れるか
アクセス地図、最寄りの駅や停留所、近くの学校からの道

小さな塾では、塾長自身の言葉がいちばんの特徴になります。指導の方針のページは、塾長が「なぜこの塾を開いたか」「どんな生徒に来てほしいか」を自分の言葉で書くと、大手の塾との違いが伝わります。

料金の載せ方

1年間にかかる費用が分かるように書く

塾の料金で保護者が後から驚きやすいのは、月謝のほかにかかる費用です。月謝だけを大きく出さず、次の費用をひと通り載せます。

  • 入塾金
  • 月謝(学年、コース、教科の数、授業の回数で変わる場合は表に)
  • 教材費(年に何回、いくらか)
  • 季節の講習(春期、夏期、冬期)の費用と、参加が必須かどうか
  • 模試や検定の費用
  • 施設の利用料や、冷暖房などの費用

料金は、消費税を含めた総額で書きます。2026年4月時点の国税庁の説明では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合は、表示の媒体を問わず総額表示の義務の対象とされています。

特定商取引法の特定継続的役務提供

学習塾の契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たることがあります。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、学習塾は、幼稚園と大学を除く学校の児童・生徒・学生を対象にした学力の教授で、期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるものが対象とされています。対象になる契約では、次のことが定められています。

  • 誇大な広告の禁止(著しく事実と違う表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示をしてはならない)
  • 契約の前に概要を書いた書面を、契約の後に遅滞なく契約の書面を渡すこと
  • 書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフができること

東京都消費生活総合センターの案内では、予備校のうち浪人生だけを対象にしたコースはこれに当たらないとされています。ホームページには、契約の期間と、途中でやめる場合の扱いの説明を、料金のページから読める場所に置いておきます。

合格実績の載せ方

数え方をはっきり書く

合格実績は、保護者が最も気にする情報の一つで、数え方で印象が大きく変わります。載せるときは、次のことを数字の近くに書きます。

  • 何年度の入試の結果か
  • 誰を数えたか(例:入試の時点で在籍し、通常の授業を受けていた生徒)
  • 講習だけ、模試だけを受けた生徒を含めていないこと
  • 1人が複数の学校に合格した場合、延べの数か、実際の人数か

実際より多く見せない

2011年4月には、ほかの事業者が経営する塾の受講生などの合格者を加えて大学の合格実績を表示していた学習塾の事業者に対し、消費者庁が景品表示法にもとづく措置命令を出しています(内閣府 消費者委員会の資料による)。また、東京都消費生活総合センターは、ホームページの「高い合格率」という宣伝を見て予備校に申し込んだものの、「合格者」とされていた人が実際には合格していなかった、という相談の事例を紹介しています。

合格の数が少ない年も、数え方を正直に書いた数字のほうが、面談で質問されたときに説明できます。合格した生徒の名前や写真、体験談を載せる場合は、生徒と保護者の両方の了解を得ます。写真の同意の取り方はスタッフやお客様の写真をサイトに載せるときで、表示の決まりの全体はホームページの表現と景品表示法で説明しています。

合格実績のほかに見せられるもの

合格実績が少ない塾や、補習を中心にした塾では、次のような実績の見せ方もあります。

  • 定期テストの点数の変化(生徒と保護者の了解を得て、学年と教科と期間を添える)
  • 苦手な教科をどう教えたかの例
  • 通っている生徒の学校の数と学年の内訳

体験授業の申し込みにつなぐ導線

入口の置き場所

体験授業や面談の申し込みの入口は、どのページからでも一度で押せるようにします。スマートフォンで見る保護者が多いため、画面の下に固定したボタンや、上部のメニューの横の入口がよく使われます。加えて、料金、コース、講師の紹介のページの最後にも入口を置きます。

体験の流れを先に見せる

申し込みをためらう理由の多くは、「申し込んだら入塾を勧められるのでは」という心配です。体験授業のページには、次のことを書いておきます。

  1. 申し込みから体験の日までの流れ
  2. 体験の当日にすること(授業、面談、所要時間)
  3. 費用がかかるかどうか
  4. 体験のあとに入塾するかどうかは、家庭で決めてよいこと

フォームの項目

申し込みのフォームでは、生徒の学年と学校、受けたい教科、希望の日時、保護者の名前と連絡先を聞きます。成績や悩みは任意の欄にし、詳しいことは面談で聞く形にすると、申し込みの手間が減ります。電話でも申し込めるようにし、電話を受けられる時間を書いておきます。項目の決め方は問い合わせフォームの項目の決め方にまとめています。

申し込みが増えやすいのは、新学期の前、季節の講習の前、定期テストの前です。この時期の前に、講習の案内と体験の受付の日程をホームページに出しておきます。

制作会社に伝えること

  1. 対象の学年、授業の形、コースと時間割
  2. 1年間にかかる費用の一覧(税込)と、途中でやめる場合の扱い
  3. 合格実績の数え方と、載せる範囲(了解の取れている生徒)
  4. 体験授業の流れと、申し込みを受ける方法(フォーム、電話)
  5. 講習の案内など、季節ごとに更新するページを誰が直すか

季節ごとに書き換えるページが多い業種なので、公開した後に塾の側で直せる範囲を最初に決めておきます。Lapisデザインラボのホームページ制作と公開後の更新の内容は、サービスと料金に載せています。

よくある質問

小さな塾で合格実績が少なくても、ホームページに載せたほうがよいですか。

数が少なくても、数え方をはっきりさせて正直に載せれば、保護者にとっての判断材料になります。合格実績のほかに、定期テストの点数の変化や、苦手な教科をどう教えたかといった指導の例を、生徒と保護者の了解を得て載せる方法もあります。在籍していない生徒や講習だけの生徒を数に入れるなど、実際より多く見せる書き方は避けます。

塾の料金は、どこまでホームページに書けばよいですか。

入塾金、月謝、教材費、季節の講習の費用、模試の費用など、1年間にかかる費用がひと通り分かるように書きます。学年やコースで変わる場合は表にし、消費税を含めた総額で示します。2か月を超え、5万円を超える契約は特定商取引法の特定継続的役務提供に当たるため、途中でやめる場合の扱いも説明できるようにしておきます。

体験授業の申し込みフォームには、何を聞けばよいですか。

生徒の学年と学校、受けたい教科、希望の日時、保護者の名前と連絡先が基本です。成績や悩みを詳しく書く欄は任意にして、詳しいことは体験の日の面談で聞く形にすると、申し込みの手間が減ります。

参考にした資料

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