ハウスクリーニングのホームページ|料金表と作業の範囲の書き方
ハウスクリーニングを頼もうとしている人は、何社かのホームページを見比べてから問い合わせます。そのとき見ているのは、料金の安さだけではありません。「この金額でどこまでやってもらえるのか」「当日になって追加の料金を言われないか」「家の中の物を傷つけられたらどうなるのか」という点です。国民生活センターも、ハウスクリーニングの依頼では作業の内容と料金を比べ、作業中の故障や損傷への補償を契約の前に確かめるよう呼びかけています。
つまり、依頼する人が確かめたいことを、問い合わせの前にホームページで答えておけば、比べられたときに選ばれやすくなります。この記事では、ハウスクリーニングや清掃の事業者のホームページで、料金表と作業の範囲をどう書くかを中心に、補償の載せ方、資格や登録の書き方、開業したばかりのときのページの作り方、法人向けの清掃会社の場合の違いまでまとめます。
依頼する人の不安と、答えるページ
依頼する人の不安は、おおむね決まっています。それぞれに答える場所を用意します。
| 依頼する人の不安 | 答えるページ・場所 |
|---|---|
| いくらかかるのか | 料金表(メニューごとの税込の料金) |
| その料金でどこまでやってくれるのか | 料金表の「含まれる作業」の欄、作業の範囲のページ |
| あとから追加の料金を言われないか | 追加の料金がかかる条件の一覧 |
| どんな人が家に来るのか | スタッフの紹介、会社の情報 |
| 物を壊されたらどうなるのか | 補償と保険の説明 |
| 自分の地域に来てくれるのか | 対応するエリア、出張費の有無 |
| どのくらい時間がかかるのか | メニューごとの作業時間の目安、当日の流れ |
ハウスクリーニングのホームページに載せるページ
| ページ | 載せること |
|---|---|
| トップ | 得意な作業(エアコン、水回り、空室の清掃など)、対応エリア、料金表への入口、問い合わせ |
| 料金表 | メニューごとの税込の料金、含まれる作業、含まれない作業、作業時間の目安 |
| メニューの説明 | エアコン・キッチン・浴室など場所ごとの作業の手順と使う洗剤や道具 |
| 作業の事例 | 作業の前後の写真、場所、作業時間 |
| 当日の流れ | 到着、作業前の確認、養生(周りを汚さないための保護)、作業、仕上がりの確認、支払い |
| 補償と保険 | 作業中の破損への対応、加入している保険の種類 |
| よくある質問 | 立ち会いは要るか、駐車場、水道や電気を使うか、キャンセルの扱い |
| 会社の情報 | 事業者名、所在地、代表者、スタッフ、資格 |
| 問い合わせ・見積もり | 場所と機種、希望日、写真を送れる欄 |
サービスのページの書き方の基本はサービス紹介ページの書き方で説明しているので、ここではハウスクリーニングに特有の書き方に絞ります。
料金表の載せ方
料金と作業の範囲を同じ表に書く
料金表で最も大事なのは、金額と、その金額に含まれる作業を一緒に書くことです。金額だけを並べると、他社の安い金額と単純に比べられ、当日の作業の範囲をめぐる行き違いも起きやすくなります。
| メニュー | 料金(税込) | 含まれる作業 | 含まれない作業・別料金 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 壁掛けエアコン(一般の機種) | 【〇〇円】 | 分解できる部品の洗浄、本体内部の高圧洗浄、動作の確認 | 室外機の洗浄(別料金)、防カビの仕上げ(別料金) | 【〇〜〇時間】 |
| キッチン | 【〇〇円】 | シンク、コンロ、作業台、壁の油汚れ | 換気扇の分解洗浄(別メニュー)、食器棚の中 | 【〇〜〇時間】 |
| 浴室 | 【〇〇円】 | 浴槽、床、壁、鏡、蛇口、排水口 | 浴槽の下(エプロン)の内部(別料金)、天井の高所 | 【〇〜〇時間】 |
「含まれない作業」の欄を設けるのは、言いにくいことを先に言っておくためです。ここが空いていると、当日に「それは別料金です」と伝える場面が生まれ、それがいちばん不信につながります。
追加の料金がかかる条件を先に書く
追加の料金がかかる条件は、料金表のすぐ下に一覧で書きます。
- 機種による違い:自動で掃除する機能の付いたエアコン、天井に埋め込むエアコンなど
- 汚れの程度:長い間掃除していない場合、カビが広がっている場合
- 場所の条件:高い場所の作業、駐車場が無く有料の駐車場を使う場合
- 時間の条件:夜間や早朝の作業、当日の依頼
- 出張の範囲:対応エリアの外への出張
あわせて、追加の料金がかかるときは、作業の前に金額を伝えて了解を得てから作業すると書いておくと、「あとから膨らむのでは」という不安に答えられます。国民生活センターには、安い作業の依頼から、当日にほかの場所の掃除を次々に勧められ、高額の契約になったという相談も寄せられています。勧め方の決まりをホームページに書いておくことは、依頼する人の安心にもなります。
税込の総額で書く
消費者に向けてあらかじめ価格を示すときは、消費税を含めた総額を表示する決まり(総額表示)があります。国税庁の説明では、表示の媒体を問わないとされているので、ホームページの料金表も税込の金額で書きます。出張費や駐車場代がかかる場合は、その金額も税込で書きます。
セット割引と「通常価格」の書き方
「エアコンと浴室のセットで〇〇円お得」「通常価格〇〇円のところ〇〇円」のように、ほかの価格と比べて安さを示す表示(二重価格表示)は、比べる価格が実際の販売の実績に基づいていることが前提です。消費者庁は、実際には販売していない価格を「通常価格」として並べるような表示は、不当な表示に当たるおそれがあると説明しています。また、実際の取引の条件より著しく有利だと誤認させる表示は、景品表示法の有利誤認として禁じられています。
「〇〇円〜」と最低料金だけを大きく書く場合も、その金額で頼めるのがどの機種・どの範囲なのかを近くに書きます。表現の決まりはホームページの表現と景品表示法にまとめています。
作業の範囲の書き方:良い例と悪い例
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| キッチンをピカピカにします | シンク、コンロ、作業台、コンロまわりの壁の油汚れを落とします。換気扇の分解洗浄は別メニューです |
| どんな汚れも落とします | 水あかや油汚れは落とせますが、素材の傷みや変色は落とせない場合があります。作業の前に一緒に確かめます |
| 安心の作業 | 作業の前に、家具や床を養生し、傷や不具合の有無を一緒に確かめてから始めます |
「落とせない汚れがある」と書くのは不利に見えますが、作業の前に説明される内容をホームページで先に読めるので、当日のやり取りが穏やかになります。
補償と保険を書く
国民生活センターは、作業中の故障や家の傷みへの補償の内容と、保険に入っているかを契約の前に確かめるよう呼びかけています。エアコンについては、クリーニングの方法も確かめ、必要に応じてメーカーに問い合わせることも勧めています。依頼する人がこれを確かめに来ると考えて、次のことを書いておきます。
- 作業中に物を壊したり傷つけたりしたときの連絡と対応の流れ
- 加入している損害賠償の保険の種類(保険の会社名まで書くかは任意)
- 作業の前に、機器の状態や既にある傷を一緒に確かめること
- エアコンの洗浄の方法と、分解しない部品
補償の上限の金額や条件は、保険の契約の内容に合わせて書き、契約に無いことは書きません。
資格と登録の書き方
ハウスクリーニング技能士
ハウスクリーニングには、国の技能検定(働く人の技能を国が評価する検定)の職種があり、合格した人は「ハウスクリーニング技能士」と名乗ることができます。厚生労働省の技能振興のサイトでは、試験は指定試験機関の公益社団法人全国ハウスクリーニング協会が実施すると案内されています。スタッフ紹介に書くときは、資格の名前を正確に書き、合格した本人の紹介の欄に添えます。会社全体が資格を持っているように読める書き方は避けます。
法人向けの清掃会社の「登録」
オフィスビルなどの清掃を請け負う清掃会社には、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)にもとづく、都道府県知事の登録の制度があります。登録は営業所ごとに受けることが「できる」もので、登録を受けた業者は「登録建築物清掃業」と表示でき、登録を受けていない者はその表示や似た表示をしてはいけないと定められています。登録を受けている場合は、会社の情報に登録の種類と番号を書きます。
開業したばかりのときのホームページ
開業したばかりで作業の事例が少ないときは、事例のページを無理に埋めず、次の順で作ると十分に役に立ちます。
- 料金表と作業の範囲:この記事の表の形で、扱うメニューだけを載せる
- 作業の手順:分解、洗浄、すすぎ、組み立て、確認の流れを、道具の写真とあわせて説明する
- 補償と当日の流れ:誰が来て、何を確かめてから作業するか
- 対応エリアと受付の時間:地図と市区町村の一覧
- 問い合わせ:電話と、写真を送れるフォーム
作業の前後の写真は、依頼した人の了解を得てから載せ、表札や窓の外の景色など、住まいが特定される部分は写さないようにします。事例の文章の型と許可の取り方は実績・事例ページの作り方で説明しています。
法人向けの清掃会社のホームページで変わるところ
オフィスや店舗、空室の清掃などを法人から請け負う会社では、読み手が施設の管理の担当者や不動産会社になります。家庭向けとは、次の点が変わります。
| 項目 | 家庭向け | 法人向け |
|---|---|---|
| 料金 | メニューごとの定額 | 面積・回数で変わるため、見積もりの例と条件 |
| 実績 | 作業の前後の写真 | 対応した施設の種類と規模、定期清掃の頻度 |
| 信頼の材料 | 補償、スタッフの顔 | 登録や資格、作業の報告書の形、緊急時の連絡体制 |
| 入口 | 日にちを選ぶ申し込み | 現地の下見と見積もりの依頼 |
家庭向けと法人向けの両方を扱う場合は、トップページで入口を分け、それぞれの読み手が自分向けのページにすぐ移れるようにします。
問い合わせ・見積もりのフォーム
フォームでは、作業の場所、エアコンならメーカーと型番、気になっている汚れ、希望の日時、駐車場の有無を聞き、写真を送れる欄を用意すると、最初の連絡で金額の見込みを伝えやすくなります。項目を増やしすぎない考え方は問い合わせフォームの項目の決め方を参考にしてください。
制作会社に伝えることのチェックリスト
- 扱うメニューと、それぞれの税込の料金、含まれる作業、含まれない作業
- 追加の料金がかかる条件と、その時の説明の仕方
- 補償の流れと、加入している保険の種類
- スタッフの資格、建築物清掃業などの登録の有無
- 対応エリア、出張費、受付の時間
- 家庭向けと法人向けのどちらが主か
料金表は、メニューや価格が変わるたびに直すページです。自社で直せる作りにするかどうかも、最初に制作会社と決めておきます。Lapisデザインラボのホームページ制作の内容はプランと料金に載せています。
よくある質問
ハウスクリーニングの料金は、ホームページに金額で載せたほうがよいですか。
載せたほうが、依頼する人が問い合わせの前に予算と見比べられます。ただし金額だけでは足りません。その料金に含まれる作業、含まれない作業、追加の料金がかかる条件を同じ表に書き、税込の総額で示します。
「通常価格」と「キャンペーン価格」を並べて書いてもよいですか。
比べる「通常価格」が、実際にその価格で販売していた実績のあるものなら書けます。実際には使っていない高い価格を通常価格として並べると、景品表示法の不当な表示に当たるおそれがあります。消費者庁の二重価格表示の考え方に沿って書きます。
開業したばかりで作業の写真が少ないときは、どうすればよいですか。
作業の手順と使う道具、料金と範囲、補償の内容を先に充実させます。作業の前後の写真は、依頼した人の了解を得て、住まいが特定されない範囲で一件ずつ足していきます。写真が少ないうちは、件数を多く見せようとせず、手順の説明で信頼につなげます。