自動車整備工場・中古車販売店のホームページ|価格の表示の決まり

/ Lapisデザインラボ

整備工場や中古車販売店のホームページは、車検や修理を頼む先を探す人と、中古車を探す人の両方が見に来ます。どちらの人も、最後に気にするのは「結局いくらかかるのか」と「この工場に任せて大丈夫か」の2つです。そして、この業界の価格の表示には、ほかの業種にはない決まりがあります。

この記事では、整備工場と中古車販売店のホームページに載せるページと、価格の表示の決まりを説明します。2023年10月から始まった中古車の「支払総額」の表示、車検や整備の料金の税込の表示、認証工場と指定工場の書き方を、自動車公正取引協議会・国税庁・国土交通省の資料をもとにまとめました。最後に、作業の写真の載せ方と、制作会社に伝えることのチェックリストを付けています。

整備工場・中古車店のホームページに載せるページ

まず、載せるページの全体を整理します。整備が中心か、販売が中心かで重みは変わりますが、多くの店で次のページが役に立ちます。

ページ載せること見る人が知りたいこと
車検・点検料金の目安、法定費用との分け方、作業の流れ、所要時間、代車の有無総額でいくらか、何日かかるか
整備・修理対応できる作業(板金、タイヤ、電装、エアコンなど)、見積もりの出し方うちの車の困りごとに対応できるか
工場の紹介認証工場か指定工場か、設備、整備士の資格任せて大丈夫か
在庫車(販売店)支払総額と内訳、年式、走行距離、修復歴、保証表示の額で買えるか
保証とアフター保証の範囲と期間、点検の案内買った後や直した後に困らないか
会社概要・アクセス住所、営業時間、定休日、地図、駐車場車で行けるか、いつ開いているか
予約・問い合わせ電話、フォーム、車検の予約すぐに予約できるか

整備工場のホームページでは、とくにアクセスの情報が大切です。車を持ち込む場所、入口の位置、工場と事務所が別の建物かどうかを、写真付きで書いておくと迷われません。書き方はアクセスページの作り方で説明しています。車検の予約をネットで受けたい場合は、ホームページに予約機能を付ける方法も参考になります。

中古車の価格は「支払総額」で表示する

中古車の価格の表示は、2023年10月1日に大きく変わりました。自動車公正取引協議会が運用する自動車公正競争規約と施行規則が改正され、中古車の販売価格を表示するときは、本体の価格ではなく「支払総額」を示すことになりました。協議会の説明では、安い車両価格で客を集め、商談で整備や保証の購入を求めたり、「納車準備費用」などの不適切な費用を請求したりする問題を解決するための改正とされています。

支払総額の表示のしかた

協議会の説明では、改正後の中古車の価格の表示は次のとおりです。

  1. 価格を表示するときは、「車両価格」に「諸費用」を加えた額を、「支払総額」の名前で表示する
  2. 内訳として、「車両価格」と「諸費用の額」を表示する
  3. 価格に保険料、税金、登録等に伴う費用が含まれていることを表示する
  4. 価格が、登録の時期や地域などについて一定の条件を付けた価格であることを表示する(例:「〇月現在、県内登録(届出)で店頭納車の場合の費用です」)

支払総額に含めるもの、含めないもの

区分中身(協議会の説明による)
支払総額に含める諸費用自賠責保険料、自動車重量税・自動車税などの税金、車庫証明や検査登録の印紙代などの法定費用、検査登録や車庫証明の手続きの代行費用
車両価格に含めるもの納車前の清掃やクリーニング、納車前の点検や軽い整備、必ず付けて売る保証や定期点検整備の費用
支払総額に含めない諸費用任意保険料、希望ナンバーの費用、県外での登録の追加費用、指定の場所への納車費用など、買う人によって要否が違うもの
請求できない費用「納車準備費用」など、本来は車両価格に含めるべき費用を諸費用として別に請求すること

ホームページの在庫のページも、この表示の対象になる広告です。協議会の FAQ では、店頭の価格を変えるときは、インターネットなどの広告の価格と食い違わないよう注意するよう案内しています。在庫の情報を自社のホームページと外部のサイトの両方に載せている場合は、価格を変えたら両方を同じ日に直す手順を決めておきます。

規約に参加していない店の場合

消費者庁の説明では、公正競争規約は、規約に参加していない事業者には適用されません。ただし、参加していない事業者の不当な表示は、消費者庁が景品表示法にもとづいて対応するとされています。表示した額で買えない価格の表示は、規約に参加しているかどうかに関わらず問題になり得るため、支払総額の考え方に沿って表示しておくのが安全です。「最安」「No.1」のような言葉を使うときの決まりはホームページの表現と景品表示法で説明しています。

車検と整備の料金の載せ方

税込で表示する

消費税法では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示するときは、消費税を含めた価格(税込価格)を表示することが義務付けられています(総額表示の義務)。国税庁の説明では、表示の媒体は問いません。ホームページの料金表も対象です。「11,000円(税込)」「11,000円(税抜価格10,000円)」のような書き方が認められています。

法定費用と整備料金を分ける

車検の費用は、どの工場に頼んでも同じ額になる法定費用と、工場ごとに違う整備の料金や代行の手数料に分かれます。料金表では、この2つを分けて示すと、見る人が比べやすくなります。

区分中身書き方の例
法定費用自動車重量税、自賠責保険料、検査の手数料(印紙代など)車種と重さごとの表、または「車種によって異なります」と書いて目安を示す
整備の料金点検と基本の整備の費用軽自動車・普通車などの区分ごとに税込で示す
代行の手数料検査の手続きの代行など税込で示す
追加の整備部品の交換など、点検の結果で必要になるもの「点検の後にお見積もりし、ご了承をいただいてから作業します」と書く

「車検〇〇円〜」のように下限の額だけを大きく出す場合は、その額がどの車種のどの条件の額か、法定費用を含むかを、すぐ近くに書きます。追加の整備の費用がかかる場合の流れを書いておくと、見積もりのときの行き違いが減ります。

認証工場と指定工場の書き方

国土交通省の説明では、自動車の「特定整備」をするには、地方運輸局長の認証を受けなければなりません(道路運送車両法78条1項)。認証を受けた工場が「認証工場」です。認証工場のうち、設備・技術・管理の組織が基準に合い、自動車検査員を置いている工場は、指定を受けて「指定工場」(民間車検場)になります。

認証工場指定工場
できること特定整備特定整備と、保安基準に合うことの証明
車検のとき運輸支局などに車を持ち込んで検査を受ける工場で検査し、保安基準適合証を出すので、車の持ち込みが省ける

2020年4月からは、それまでの「分解整備」が「特定整備」に改められ、自動ブレーキなどに使う前方のカメラやレーダーの調整(エーミング)などが「電子制御装置整備」として認証の対象に加わりました。ホームページでは、認証工場か指定工場か、電子制御装置整備の認証を持っているかを、事実どおりに書きます。自動ブレーキの付いた車の窓ガラスやバンパーの修理を受けられるかどうかは、この認証に関わるため、見る人にとって大切な情報です。

作業の写真の載せ方

整備工場のホームページでは、作業の様子や整備の前後の写真が、工場の丁寧さを伝える材料になります。載せるときは次の点に気をつけます。

  • お客様の車のナンバープレートは写さないか、加工して隠す
  • 車種や色が珍しく、持ち主が分かりそうな車は、お客様の了解を取ってから載せる
  • 整備士の顔を載せる場合は、本人の同意を取る(同意の取り方はスタッフやお客様の写真をサイトに載せるとき)
  • 工場の設備は、リフトや検査のラインなど、何ができるかが分かる写真を選ぶ

制作会社に伝えることのチェックリスト

  • 整備中心か販売中心かと、いちばん見てほしいページ
  • 在庫車のページで支払総額・車両価格・諸費用の額と条件を表示できる作りにする
  • 在庫の価格を自社のサイトと外部のサイトで同じ日に直す手順
  • 車検の料金表を税込で、法定費用と整備の料金を分けて示す
  • 認証工場か指定工場か、電子制御装置整備の認証の有無
  • 車の持ち込みの場所と駐車場の写真
  • 作業の写真のナンバーの隠し方と、載せる前の確認の手順

表示の決まりを制作会社が細かく知っているとは限りません。必要な表示の項目は自社で一覧にして渡し、公開の前に自社で確かめます。Lapisデザインラボのホームページ制作と、公開後の更新の内容は、サービスと料金に載せています。

よくある質問

中古車の価格は、ホームページでもすべて「支払総額」で表示しなければいけませんか。

自動車公正取引協議会の規約では、2023年10月1日から、中古車の販売価格を表示するときは、車両価格に諸費用(保険料・税金・登録等に伴う費用)を加えた「支払総額」の名前で表示し、内訳として車両価格と諸費用の額を示すことになりました。店頭と広告が対象で、インターネットの広告も含めて価格をそろえるよう案内されています。規約に参加していない店も、不当な表示は景品表示法の対象になります。

車検の料金は、税抜きで表示してもよいですか。

消費税法では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示するときは、消費税を含めた価格(税込価格)を表示する義務があります。ホームページを含め、表示の媒体は問いません。整備の料金や代行の手数料は税込で書き、法定費用(重量税・自賠責保険料・検査の手数料)とは分けて示すと分かりやすくなります。

認証工場と指定工場は、ホームページでどう書き分ければよいですか。

国土交通省の説明では、特定整備をするには地方運輸局長の認証が必要で、認証を受けた工場が認証工場です。認証工場のうち、設備や検査員などの基準に合う工場が指定工場(民間車検場)で、車検のときに車を運輸支局へ持ち込む必要がありません。どちらにあたるかと、電子制御装置整備の認証の有無を、事実どおりに書きます。

参考にした資料

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