設備工事会社のホームページ|施工実績と許可・資格の載せ方
設備工事の会社のホームページを読むのは、家を直したい個人より、仕事を頼む会社であることが多いです。ゼネコンや工務店の工事の担当、ビルや工場、店舗の持ち主、建物の管理会社が、「この会社にこの工事を任せられるか」「この地域で動けるか」「許可や資格はそろっているか」を確かめに来ます。読み手が見たいのは、きれいな写真より、確かめられる事実です。
この記事では、電気・空調・給排水などの設備工事の会社が、元請けや建物の持ち主に信頼されるためのページの組み立て方と、建設業の許可、電気工事業の登録、指定給水装置工事事業者の載せ方、そして現場の名前を出せないときの施工実績の書き方をまとめます。制度の説明は国土交通省と法令の条文をもとにしています。
読み手は誰で、何を確かめに来るのか
| 読み手 | 確かめたいこと | 応えるページ |
|---|---|---|
| ゼネコン・工務店の工事の担当 | 対応できる工事の種類と規模、動ける地域と人数、許可の業種、安全の取り組み | 工事の内容、施工実績、会社概要 |
| ビル・工場・店舗の持ち主 | 改修や更新を任せられるか、止められない設備の工事の段取り、保守の対応 | 工事の内容、工事の流れ、保守・点検 |
| 建物の管理会社 | 急な故障への対応、点検の契約、報告書の形 | 保守・点検、問い合わせ |
| 協力会社・職人 | 取引の条件、仕事の量の見通し | 協力会社の募集 |
| 働きたい人 | 仕事の中身、資格の取得の支援、給与と休み | 採用 |
一般の住まいのリフォームを主にする会社なら、リフォーム会社のホームページの考え方が合います。新築の住宅を元請けで建てる会社は工務店のホームページを参考にしてください。この記事は、元請けや法人から仕事を受けることが多い設備工事の会社に向けたものです。
載せるページの一覧
| ページ | 載せること |
|---|---|
| トップ | 何の工事の会社か(電気・空調・給排水・消防設備など)、主な地域、許可の業種、問い合わせの入口 |
| 工事の内容 | 工事の種類ごとのページ。新設・改修・更新・保守のどれを受けるか、対応できる建物の用途と規模 |
| 施工実績 | 建物の用途、規模、地域、担当した範囲、工期(書き方は下で説明) |
| 工事の流れ | 現地調査、見積もり、施工計画、施工、試運転・検査、引き渡し、保守 |
| 保守・点検 | 定期点検の内容、故障のときの連絡先と受付の時間 |
| 有資格者 | 資格の種類ごとの人数(例:第一種電気工事士、1級管工事施工管理技士) |
| 会社概要 | 許可・登録の情報、所在地、代表者、所属する団体、加入している保険 |
| 協力会社の募集 | 求める工事の種類と地域、取引の条件、連絡先 |
| 採用 | 仕事の一日、資格の取得の支援、給与と休み |
会社概要の項目の並べ方はホームページの会社概要の書き方で詳しく説明しています。
「対応できる工事」は、種類・規模・地域で書く
元請けの担当が知りたいのは、「この仕事を振れるか」です。「電気工事全般」「空調設備工事一式」とだけ書くと、判断できません。
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| 電気工事全般に対応します | 事務所・店舗・工場の受変電設備、幹線・動力、照明・コンセントの新設と改修。高圧受電の設備の更新に対応します |
| 空調工事ならお任せください | 業務用エアコン(パッケージエアコン)の入れ替えを中心に、店舗・事務所で室外機10台程度までの現場に対応します |
| 広い地域に対応 | ○○市・△△市を中心に、本社から車で1時間程度の範囲。それより遠い現場はご相談ください |
建物の用途(事務所、店舗、工場、倉庫、集合住宅、学校など)、受けられる規模、動かせる人数、夜間や休日の工事への対応も書いておくと、問い合わせの前に相手が判断できます。
建設業の許可の載せ方
許可の区分を、許可通知書のとおりに書く
国土交通省の説明では、建設工事の完成を請け負うことを営業するには、公共工事か民間工事かを問わず、建設業法第3条に基づく建設業の許可が要ります。許可には次の区分があります。
| 区分 | 分かれ方(国土交通省の説明) |
|---|---|
| 国土交通大臣許可と都道府県知事許可 | 2以上の都道府県に営業所を置くなら大臣、1つの都道府県の中だけなら知事。工事をできる地域には制限が無い |
| 一般建設業と特定建設業 | 発注者から直接請け負った1件の工事で、下請に出す額の合計が5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上になるなら特定 |
| 業種 | 土木一式・建築一式の2つと、27の専門工事の計29の業種ごとに許可を受ける |
| 有効期間 | 5年。5年ごとに更新する |
設備工事の会社が持つことの多い業種は、電気工事業、管工事業(空調・給排水・衛生)、電気通信工事業、消防施設工事業などです。ホームページには、持っている業種を全部、許可の名前のとおりに並べます。「設備工事業」のような、許可に無い名前でまとめないようにします。
許可票と同じ項目を、会社概要に載せる
建設業法第40条は、許可を受けた建設業者に、店舗と工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げることを義務付けています。店舗に掲げる許可票の様式には、次の項目があります。
- 商号または名称
- 代表者の氏名
- 一般建設業か特定建設業かの別
- 許可を受けた建設業
- 許可番号(「国土交通大臣/○○県知事 許可( )第 号」の形)
- 許可の年月日
ホームページは許可票の代わりにはなりません。ただ、同じ項目を会社概要に載せておくと、元請けの担当が社内の業者登録の手続きで確かめやすくなります。業種ごとに許可の年月日が違うこともあるので、表にして並べると読み違えが起きません。国土交通省の企業情報検索システムでは、許可の情報を誰でも検索できます。載せる前に、検索の結果とホームページの表記が合っているかを確かめておきます。
許可が要らない工事だけを受ける場合
工事1件の請負代金が500万円未満(消費税を含む。建築一式工事以外の場合)の軽微な建設工事だけを請け負う場合は、建設業の許可を受けなくてもよいとされています。許可を受けていない会社が「許可業者」と読める書き方をしないことはもちろん、どの規模の工事を受けるのかを正直に書くほうが、相手の判断を助けます。軽微な工事の範囲の詳しい説明はリフォーム会社のホームページにまとめています。
電気工事業の登録の載せ方
電気工事を行う事業は、建設業の許可とは別に、電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)の決まりがかかります。
| 会社の状況 | 電気工事業法での扱い |
|---|---|
| 建設業の許可を持たずに電気工事業を営む | 2以上の都道府県に営業所があれば経済産業大臣、1つの都道府県の中だけなら知事の登録を受ける(第3条)。登録の有効期間は5年 |
| 建設業の許可を持ち、電気工事業を営む | 登録電気工事業者とみなされ、開始したことを届け出る(第34条) |
| 建設業の許可を持ち、自家用電気工作物の工事だけを営む | 通知電気工事業者とみなされ、通知する(第34条) |
電気工事業者は、営業所と電気工事の施工の場所ごとに、氏名または名称、登録番号などを書いた標識を掲げることが定められています(第25条)。また、一般用電気工作物等の工事を行う営業所には、主任電気工事士を置くことになっています(第19条)。
ホームページの会社概要には、「登録電気工事業者 ○○県知事登録第○号」や「みなし登録電気工事業者(届出済み)」のように、自社がどの扱いかを、届け出や登録の書類のとおりに書きます。
指定給水装置工事事業者の載せ方
水道の給水管や蛇口などの工事(給水装置工事)では、水道法第16条の2で、水道事業者(水道を供給する市町村の水道局など)が、工事を適正に行える者を指定給水装置工事事業者として指定できると定めています。水道事業者は、指定を受けた事業者などが行った工事であることを給水の条件にでき、そうでない工事には、給水の申し込みを拒んだり給水を止めたりできます。
指定は水道事業者ごとに受けるものなので、ホームページには「○○市 指定給水装置工事事業者(指定番号○号)」のように、どこの指定かを地域ごとに並べます。指定を受けた地域と、工事に行ける地域が違うと誤解を招くので、地図や地域の一覧と合わせて書きます。
現場の名前を出せないときの施工実績の書き方
設備工事は、元請けの下で入る現場が多く、建物の名前や写真を出せないことがよくあります。了解の無い現場の名前は載せません。その代わりに、建物を特定しない事実を並べます。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 建物の用途 | 事務所ビル、食品工場、商業施設のテナント |
| 規模 | 地上5階建て・延べ面積3,000平方メートル程度 |
| 地域 | ○○県内 |
| 担当した範囲 | 受変電設備の更新と幹線の引き替え |
| 立場 | 二次下請として施工 |
| 工期 | 3か月(営業を止めずに夜間の工事で実施) |
| 工夫したこと | 停電の時間を短くする段取り、テナントへの事前の案内 |
「夜間の工事で営業を止めずに更新した」「稼働中の工場で、休みの日だけで切り替えた」といった、段取りの事実は、元請けや建物の持ち主にとって判断の材料になります。写真を載せるときは、建物が分かる外観や看板、銘板、人の顔が写っていないかを確かめます。掲載の了解の取り方は実績・事例ページの作り方で説明しています。
有資格者の載せ方
資格は、種類ごとの人数を表にするのが分かりやすい形です。
| 資格 | 人数 |
|---|---|
| 1級電気工事施工管理技士 | ○名 |
| 第一種電気工事士 | ○名 |
| 1級管工事施工管理技士 | ○名 |
| 消防設備士(甲種第1類) | ○名 |
資格の名前は、免状や合格証のとおりに書きます。人数は辞めた人や新たに取った人で変わるので、表の下に「○年○月時点」と添え、半年に1回などと決めて見直します。
公開前のチェックリスト
- 許可の業種、許可番号、一般か特定か、許可の年月日が、許可通知書と企業情報検索の結果に合っている
- 許可の更新のあとに、日付と番号を直す担当が決まっている
- 電気工事業の登録(またはみなし登録)の扱いが、書類のとおりに書いてある
- 指定給水装置工事事業者は、どの水道事業者の指定かを地域ごとに書いてある
- 施工実績に、了解の無い建物の名前、外観、看板、人の顔が写っていない
- 対応できる工事を、種類・規模・地域で書いてある
- 有資格者の表に、時点が書いてある
- 協力会社の募集と採用のページに、連絡先と返事の目安がある
Lapisデザインラボのホームページ制作の内容はプランと料金に載せています。
よくある質問
建設業の許可は、ホームページにどう書けばよいですか。
許可通知書のとおりに、許可を出した行政庁(国土交通大臣か都道府県知事)、許可番号、一般建設業か特定建設業かの別、許可を受けた業種、許可の年月日を会社概要に載せます。業種ごとに許可を受けるので、持っている業種を全部、正しい名前で並べます。許可は5年ごとに更新するので、更新のたびに直します。
元請けの現場は、名前を出して施工実績に載せてよいですか。
元請けの会社や建物の持ち主の了解が無ければ、建物の名前や写真は載せないのが安全です。了解が取れない現場は、建物の用途、規模、地域、担当した工事の範囲、工期といった、建物を特定しない形で載せます。
電気工事業の登録番号も載せたほうがよいですか。
登録電気工事業者は、営業所と施工の場所ごとに、氏名や名称、登録番号などを書いた標識を掲げることが電気工事業法で定められています。ホームページは標識の代わりにはなりませんが、会社概要に登録の区分と番号を載せておくと、依頼する側が確かめやすくなります。建設業の許可を持つ会社は、届け出による「みなし登録電気工事業者」として扱われるので、その旨を書きます。