美容室のホームページに要るページと予約の導線

/ Lapisデザインラボ

美容室を選ぶ人の多くは、予約サイトやSNS、地図アプリで店を見つけ、気になった店の名前を検索してから予約します。そのとき、店のホームページがあれば、予約サイトの型には収まらない「どんな考え方の店か」「誰が切ってくれるのか」を確かめられます。逆に、ホームページが無かったり、料金や営業時間が予約サイトと食い違っていたりすると、予約の直前で迷わせてしまいます。

この記事では、美容室のホームページに置くページの一覧と、予約までの導線(ページからページへ、予約の入口へと進んでもらう道筋)の作り方をまとめます。あわせて、メニューと料金の載せ方、スタイル写真とスタッフ紹介の作り方、エステや物販を扱うときに知っておきたい決まりにも触れます。ロゴや店内の見た目をそろえる考え方は美容室・サロンのブランディングで説明しているので、ここではサイトの構成に絞ります。

美容室にホームページは要るか

予約サイトだけでも予約は受けられます。それでも自社のホームページを持つ美容室が多いのは、予約サイトとは役割が違うからです。

入口主な役割ホームページで補うこと
予約サイト新しい人に見つけてもらい、空いている枠に予約を入れてもらう店の考え方、スタッフの人柄、施術の流れ
SNSスタイルや店の雰囲気を日々見せる料金、場所、予約方法など、流れて消えない基本の情報
地図アプリ近くの店として見つけてもらう地図から来た人が最初に確かめる情報
ホームページ店の名義で、すべての情報をまとめて置く―

ホームページは、予約サイトの掲載をやめたり、SNSのアカウントに入れなくなったりしても残る、店の名義の窓口です。働く場所を探している人に、店の雰囲気を詳しく伝える求人のページも置けます。「要るかどうか」で迷う場合は、まず次の3つが当てはまるかを考えます。

  • 指名で通う常連が多く、スタッフ個人を知って選んでもらいたい
  • カット以外に得意な施術(縮毛矯正、ヘアカラー、ヘッドスパなど)があり、説明が要る
  • スタッフを募集する予定がある

一つでも当てはまるなら、ホームページを持つ意味は大きくなります。

美容室のホームページに要るページ

小さな美容室なら、次のページで足ります。ページ数を増やすより、それぞれの情報を正確に保てる数にとどめるのが大切です。

ページ載せること
トップ店の名前と一言の特徴、予約の入口、営業時間と定休日、場所
初めての方へ来店から仕上がりまでの流れ、カウンセリングで聞くこと、所要時間の目安、駐車場や子ども連れの可否
メニューと料金施術ごとの税込の料金、所要時間、追加料金がかかる条件
スタイル店で仕上げたスタイルの写真。長さや施術の種類で分ける
スタッフ写真、名前、得意な施術、指名料の有無、そのスタッフへの予約の入口
店の考え方使う薬剤や道具へのこだわり、大切にしていること
アクセス地図、最寄りの駅や停留所からの道順、駐車場
予約予約の方法と、キャンセルの決まり
求人募集する職種、働き方、店の雰囲気
よくある質問予約前に電話で聞かれることへの答え

「初めての方へ」は見落とされやすいページです。初めて来る人は、施術の内容よりも「どのくらい時間がかかるか」「希望をうまく伝えられるか」を気にしています。カウンセリングで何を聞くか、写真を見せて相談してよいか、といったことを書いておくと、予約の前の不安が和らぎます。

予約までの導線をつくる

予約の入口をどこに置くか

予約の入口は、どのページからでも一度で押せる位置に置きます。美容室のサイトはスマートフォンで見られることが多いため、画面の下に固定した「予約する」のボタンや、上部のメニューの横の入口がよく使われます。それに加えて、次の場所にも入口を置きます。

  • メニューと料金のページの、各施術の近く
  • スタッフのページの、一人ひとりの紹介の下(指名で予約できる場合)
  • 「初めての方へ」のページの最後

予約の受け方を決める

受け方向いている場合気をつけること
予約サイトへのリンクすでに予約サイトで予約を管理している予約サイトの画面に移ることを、ボタンの言葉で伝える
予約システムを使う店の名義で予約を管理したい予約サイトと併用するなら、空き枠が連動するかを確かめる
LINEで受ける常連とのやり取りが多い返信の時間を決めておく
電話で受ける年配のお客様が多い営業時間外の扱いを書いておく

入口はいくつあってもかまいませんが、予約の台帳は一つにまとめるのが安全です。予約サイト、予約システム、電話の台帳が別々だと、同じ時間に二重に予約が入ることがあります。ホームページからは、店が実際に予約を管理している仕組みへつなぎます。予約の仕組みの選び方はホームページに予約機能を付ける方法で説明しています。

メニューと料金の載せ方

料金は税込の総額で書く

消費者に向けてあらかじめ価格を示すときは、消費税を含めた総額を表示する決まり(総額表示)があります。2026年4月時点の国税庁の説明では、店頭表示やチラシ、新聞・テレビの広告など、表示の媒体を問わないとされています。ホームページのメニューも、「5,500円(税込)」のように税込の金額で書きます。

料金が変わる条件を書く

美容室の料金は、髪の長さや量、指名の有無で変わることがよくあります。「〇〇円〜」とだけ書くと、来店してから金額に驚かれる原因になります。

  • 長さで料金が変わる場合は、どこからが「ロング」かを書く
  • 指名料、ロング料金、薬剤の追加など、追加になる条件を同じページに書く
  • 所要時間の目安を施術ごとに書く

予約サイトと食い違わせない

料金、営業時間、定休日は、ホームページ、予約サイト、地図アプリで同じにします。値上げや定休日の変更のときに、どこを直すかを一覧にしておくと漏れが減ります。

初回だけの割引などで「通常価格」と並べて安さを見せる場合は、比べる価格が実際に販売していた価格であることが前提です。消費者庁の説明では、過去の販売価格を比べる価格に使うとき、最近相当期間にわたって販売されていた価格でない場合は、いつの時点でどのくらいの期間販売されていた価格かを正確に表示する必要があるとされています。表現の決まりはホームページの表現と景品表示法にまとめています。

スタイル写真とスタッフ紹介

スタイルの写真は、店の腕前を伝えるいちばんの材料です。載せるときは次の点を決めておきます。

  • 写る人の同意を取る:お客様の写真は、ホームページに載せることを伝えて同意を得る。顔を出さない撮り方も選べるようにする(同意の取り方はスタッフやお客様の写真をサイトに載せるときで説明しています)
  • 加工しすぎない:色味の補正の程度をそろえ、実際の仕上がりと違う印象にしない
  • 分け方を決める:長さ(ショート、ボブ、ミディアム、ロング)や施術(カラー、パーマ)で分けると探しやすい

スタッフのページは、指名で予約する人がよく見ます。名前と写真に加え、得意な施術、美容師になってからの年数、休みの曜日を書きます。指名して予約できる場合は、紹介のすぐ下に、そのスタッフへの予約の入口を置きます。

SNSの投稿をホームページに並べる方法もありますが、それだけに頼ると、SNSの仕様が変わったときに表示が崩れます。代表的なスタイルは、ホームページにも写真として置いておきます。

エステや商品の販売を扱う場合

美容室でも、エステの施術を回数券やコースで売る場合は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たることがあります。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、エステティックは、期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるものが対象とされ、契約の前と後に決められた書面を渡すこと、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができることなどが定められています。ホームページにコースの料金を載せるときは、期間と総額、途中でやめる場合の扱いを分かりやすく書きます。

店で化粧品やヘアケアの商品を紹介する場合は、効果の書き方にも決まりがあります。詳しくは化粧品・健康食品のサイトで使えない表現で説明しています。

制作を頼む前に決めること

美容室のホームページを頼むときは、次のことを決めてから相談すると、やり取りが早く進みます。

  1. 予約をどの仕組みで管理しているか(予約サイト、予約システム、電話)
  2. 指名の予約を受けるか、スタッフ一人ひとりの入口を作るか
  3. メニューと料金の一覧(税込、追加料金の条件、所要時間)
  4. スタイル写真を誰が撮り、誰が更新するか
  5. 求人のページを置くか
  6. 料金や営業時間を変えたときに直す場所の一覧

公開した後に、料金やスタッフの情報を店で直せるようにしておくかどうかも、最初に決めておきます。Lapisデザインラボのホームページ制作と公開後の保守の内容は、サービスと料金に載せています。

よくある質問

予約サイトに載せていれば、美容室のホームページは要りませんか。

予約サイトだけでも予約は受けられますが、載せられる内容は予約サイトの型の範囲に限られます。店の考え方、スタッフの得意な施術、初めての人への説明、求人など、型に収まらない情報を置く場所として、自社のホームページを持つ美容室が多くあります。予約サイトの掲載をやめたときにも残る、店の名義の窓口にもなります。

ホームページの料金は税抜で書いてもよいですか。

消費者に向けてあらかじめ価格を示すときは、消費税を含めた総額を表示する決まり(総額表示)があります。2026年4月時点の国税庁の説明では、表示の媒体を問わないとされており、ホームページのメニューと料金も税込の金額で書きます。「5,500円(税込)」のように書けば分かりやすくなります。

予約の入口は、予約サイト・電話・LINEのどれにすればよいですか。

どれか一つに決める必要はありませんが、予約の台帳は一つにまとめるのが安全です。入口が複数あって台帳が別々だと、同じ時間に二重に予約が入ることがあります。ホームページからは、店が実際に予約を管理している仕組みへリンクし、電話は予約の仕組みに慣れない人のための入口として残す形がよく使われます。

参考にした資料

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