新商品のブランドづくり|名前・ロゴ・パッケージをそろえる順番
新しい商品を出すとき、商品名・ロゴ・パッケージ・販促物をどの順番で決めるかが曖昧なまま進めると、名前を決めたあとに似た商標が見つかって変更が必要になったり、パッケージのデザインが先に決まってロゴの方向性と合わなくなったりします。
この記事では、新商品のブランドづくりを、商品名・ロゴ・パッケージ・販促物の順に整理し、それぞれで気をつける点をまとめます。
決める順番の全体像
| 順番 | 決めること | 先に済ませておきたい理由 |
|---|---|---|
| 1 | 商品名 | 商標の確認を先に行わないと、あとで変更が必要になる場合がある |
| 2 | ロゴ・ブランドマーク | 名前が決まらないと形にできない |
| 3 | パッケージデザイン | ロゴの色・形が固まってから配色を決めるほうが手戻りが少ない |
| 4 | 販促物・Webページ | ロゴとパッケージの見た目を、売り場以外の場面に展開する |
1. 商品名を決める:商標の確認を先に行う
商品名の候補が出たら、デザインに進む前に商標の確認をします。すでに同じ分野で似た名前が商標登録されていると、販売後に使用をやめなければならない事態になりかねません。確認は、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、無料で検索できます。
候補が複数ある場合は、確認が済んだものから絵に起こすデザイン作業を始めると、手戻りを避けられます。似た名前が見つかった場合、使えるかどうかの最終的な判断は専門家(弁理士など)に相談するのが安全です。
2. ロゴ・ブランドマークを作る
商品名が固まったら、ロゴの方向性を決めます。既存の会社ロゴをそのまま使うか、商品専用のロゴ(サブブランド)を作るかは、次のような基準で分かれます。
- 既存の会社ロゴで十分な場合:商品が1つ、または会社名そのものが商品の信頼につながる業態
- 商品専用のロゴを作る価値がある場合:シリーズ化を予定している、単独で売り場に並ぶ、会社とは別の客層に向けている
専用のロゴを作る場合も、会社のコーポレートカラーとの関係(同じ色を使うか、商品ごとに差をつけるか)を先に決めておくと、複数商品を並べたときに「同じ会社の商品」と分かりやすくなります。ロゴ制作の流れは、商品用のロゴでも基本の進め方は共通しています。
3. パッケージデザインを決める
ロゴの方向性が見えた段階で、パッケージのデザインを進めます。パッケージで決めることは多岐にわたりますが、大きくは次の2つに分かれます。
- 見た目の要素:ロゴの配置、配色、写真やイラストの使い方、素材・質感
- 法令に基づく表示事項:商品の種類によって、原材料や成分、使用上の注意などの表示が法令で定められている場合があります。これは商品のジャンルごとに異なるため、該当する法令・ガイドラインを個別に確認するか、専門の表示確認サービスに相談する必要があります
デザインの打ち合わせでは見た目の部分を中心に進め、法令に基づく表示事項は、デザインとは別に、商品を扱う部門や専門家が確認する体制にしておくと、デザイン変更のたびに表示事項を見落とすリスクを減らせます。
4. 販促物・Webページへの展開
ロゴとパッケージが決まったら、販促物(チラシ、POP、ショップカードなど)やWebページに展開します。この段階では、新しく何かを決めるのではなく、決まった要素(ロゴ、配色、商品写真)を使い回す作業が中心になります。
| 展開先 | 使う要素 |
|---|---|
| 店頭POP・チラシ | ロゴ、パッケージの写真、商品の特徴を伝える一文 |
| Webページ・ECの商品ページ | ロゴ、パッケージ写真、商品説明 |
| SNSの告知画像 | ロゴ、配色、パッケージ写真 |
気をつけておきたい点
- 商品名を決める前にデザインを進めすぎると、商標の確認で候補を変える必要が出た場合に手戻りが大きくなります
- 専用ロゴを作る場合、会社ロゴとの関係(統一感を持たせるか、別ブランドとして離すか)を先に方針として決めておきます
- パッケージの法令に基づく表示事項は、デザインの打ち合わせとは別に確認する担当・工程を用意します
シリーズ商品を展開する場合の考え方
1つの商品がヒットし、同じブランドで新しい商品を追加する場合は、最初の商品で決めたロゴ・配色・パッケージのルールを土台にして展開します。毎回ゼロからデザインし直すと、同じシリーズに見えなくなるため、次の要素はシリーズ共通のルールとして固定しておきます。
- 共通にする要素:ロゴの位置、ブランド名の書体、パッケージの基本レイアウト
- 商品ごとに変える要素:色(商品の種類を区別するための差分)、商品名、写真やイラスト
このルールを、デザイナーに依頼する際の資料(簡易なガイドライン)としてまとめておくと、2商品目以降は新しく作る部分(色や商品名の表示)だけを依頼でき、検討の時間を短縮できます。
スケジュールの目安
商品の発売日が決まっている場合、逆算してスケジュールを組みます。各工程でどのくらいの期間が必要かは商品の複雑さによって変わりますが、たとえば次のように組む場合があります。
| 工程 | 期間の例 |
|---|---|
| 商品名の検討・商標の確認 | 数週間 |
| ロゴ・ブランドマークの制作 | 1か月前後 |
| パッケージデザインの制作 | 1〜2か月(法令に基づく表示事項の確認を含む) |
| 販促物・Webページの展開 | 数週間 |
パッケージの印刷や、法令に基づく表示事項の最終確認には時間がかかる場合があるため、発売日から逆算して早めに準備を始めると、余裕を持って進められます。商品の種類によって必要な確認事項や期間は変わるため、関係する部門と早めにスケジュールを共有しておくことが大切です。
まとめ
- 新商品のブランドづくりは、商品名→ロゴ→パッケージ→販促物の順で進めると手戻りが少ない
- 商品名は、デザインに進む前にJ-PlatPatで商標を確認する
- 専用ロゴを作るかどうかは、シリーズ化の予定や売り場での見え方で判断する
- パッケージの法令に基づく表示事項は、デザインとは別に確認する
新商品のロゴや、ロゴと合わせた販促物のデザインを相談したい場合は、サービスと料金で内容を確認できます。
よくある質問
新商品にも必ず専用のロゴが必要ですか。
必須ではありません。既存の会社ロゴをパッケージに載せるだけで十分な場合もあります。シリーズ化を予定している商品や、単独で売り場に並ぶ機会が多い商品であれば、専用のロゴ(サブブランドの名前やマーク)を作る価値が出てきます。
商品名を決めるとき、何を先に確認すればよいですか。
候補の名前が、同じ商品分野で既に商標登録されていないかを確認します。独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、無料で検索できます。似た名前が見つかった場合は、候補を変えるか、専門家に相談して判断します。
パッケージのデザインは、ロゴができてから進めるのですか。
ロゴと並行して進めることもできますが、ロゴの形や色が固まっていないと、パッケージ全体の配色やレイアウトが決めにくくなります。ロゴの方向性が見えた段階でパッケージの打ち合わせを始めると、手戻りが少なくなります。