契約した覚えのないMEOの請求書が届いたとき|確かめ方と対応の順番

/ Lapisデザインラボ

「Googleマップ掲載料」「MEO 対策 月額利用料」。こうした名目の請求書が、ある日お店や事務所に届くことがあります。契約した覚えはないのに、振込の期限が迫っていたり、「お電話でご了承いただいたとおり」と書かれていたりすると、払ってしまおうかと迷います。

この記事では、契約した覚えのない MEO の請求書が届いたときに、何を確かめ、どの順番で動けばよいかを説明します。まず Google の側の決まりを押さえ、よくある請求の形の見分け方、社内で確かめること、裁判所からの書類のときの注意、払ってしまったときの動き方と相談先をまとめます。

まず押さえること:Google の掲載は無料

最初に、Google の側の決まりを確かめておきます。

  • ビジネスプロフィールは無料:Google のサードパーティ ポリシーは、業者に対して、ビジネスプロフィールそのものは追加の料金がかからない道具だとお客様に伝えるよう求めています。料金がかからない Google のサービスを、有料の掲載のように見せることも禁じています
  • お金で順位は上がらない:Google のヘルプには、順位を上げるための依頼や支払いを受け付けていないと書かれています
  • Google は電話で支払いを求めない:Google のヘルプでは、自動の音声の電話でお金の支払いを求めることは無く、オペレーターの電話でも支払いの情報を尋ねることは無いとされています

つまり、「Google への掲載料」という名目の請求は、Google からのものではありません。請求しているのは、MEO などをうたう業者です。

届いた請求の形を見分ける

請求書が届いたら、まず次のどれに近いかを見ます。

請求の形特徴考えられること
まったく心当たりのない請求会社名に覚えがない。申込書の写しも無い架空の請求の可能性が高い
電話の「了承」を根拠にした請求「お電話でご承諾いただいた」「録音があります」と書かれている電話の受け答えを、契約したと扱われている
無料の期間の後の請求「無料でお試し」と言われた覚えがある期限までに断らないと有料になる条項があった
社内の誰かが申し込んでいた申込書やファクスの控えが見つかる契約そのものはある。中身と条項の確かめが要る
裁判所の名前の書類支払督促、訴訟の呼出しなどと書かれている本物か偽物かを、裁判所に直接確かめる

日本弁護士連合会は、中小企業を相手に「無料で求人広告を載せます」と勧誘し、決まった日までに書面で断らないと有料になる、という求人広告のトラブルについて注意を呼びかけています。MEO でも、似た形の勧誘が考えられます。日弁連は同じ案内で、事業者どうしの契約は消費者を守る法律の守りを受けにくく、クーリング・オフも事業者には使えないと説明しています。

確かめる順番

1. すぐに払わない。書かれた番号に連絡しない

国民生活センターは、架空の請求について、請求書に書かれた電話番号に連絡しないよう呼びかけています。連絡すると、会社の情報や担当者の名前が相手に渡り、「取り下げの費用」などの別の名目で請求されることがあるためです。請求書や封筒、メールは捨てずに保管します。

2. 社内で確かめる

  • 請求書の会社名・住所・電話番号を、これまでの取引先の一覧と見比べる
  • 店長やスタッフに、その会社から電話や訪問が無かったか、申込書やファクスに名前や印を書かなかったかを聞く
  • 経理の記録に、同じ会社への支払いが無いかを見る

電話で「はい」「分かりました」と答えただけでも、相手が契約したと主張してくることがあります。誰が、いつ、何と答えたかを、本人の記憶があるうちに書き留めます。

3. ビジネスプロフィールの権限を見る

ビジネスプロフィールの「ユーザーとアクセス権」の画面で、知らない人や会社がオーナーや管理者に入っていないかを確かめます。Google のサードパーティ ポリシーは、業者がプロフィールを管理する前に、お店のはっきりした同意を書面などで得るよう求めており、口頭の同意では足りないとしています。知らない業者が入っていれば、オーナーであるお店の側で外します(業者がオーナーになっていたら、オーナー権限を取り戻す方法を見てください)。入られていたことは、Google に報告するときの材料にもなります。

4. 心当たりの有無で、次の動きを分ける

  • まったく心当たりが無い:連絡せず、保管しておきます。しつこい取り立てがあれば、警察に相談します
  • 社内に心当たりがある:自分で相手に言い返す前に、弁護士に相談します。そのうえで、契約の根拠(申込書、契約書、録音の内容)を書面で示すよう求めます。中身によっては、だまされて結んだ契約として取り消せる場合や、解約の条項で終えられる場合があります

裁判所の名前の書類が届いたとき

裁判所は、支払督促や少額訴訟の手続を悪用した架空の請求に注意を呼びかけています。こうした手続では、裁判所は申し立ての段階で請求が本物かどうかを判断できず、書類はそのまま郵送されます。身に覚えがないとして放置すると、架空の請求でも判決などが出て、強制執行を受けるおそれがあるとされています。

  • 書類に書かれた番号ではなく、自分で調べた裁判所の番号に問い合わせる
  • 本物なら、手続に期限があるので、すぐに弁護士に相談する
  • 裁判所の職員が電話でお金の支払いを指示することは無い

「訴訟の予告」「最終通告」のような言葉だけの請求書と、裁判所から届く書類は別のものです。区別がつかないときも、自分で調べた裁判所の番号で確かめます。

払ってしまったとき

  • 振込の控えと請求書を保管し、いつ、いくら、どの口座へ払ったかを書き留める
  • 振込に使った金融機関に、すぐに事情を伝えて相談する
  • 弁護士に相談し、返金を求められるかを確かめる
  • 架空の請求の疑いが強いときは、警察にも相談する

相談先

相談先向いている相談
弁護士(日本弁護士連合会の「ひまわりほっとダイヤル」など)契約があるかどうか、取消しや解約、返金の交渉。中小企業や個人事業主が面談を予約でき、一部の地域を除いて初回30分は無料
警察(緊急でなければ警察相談専用電話「#9110」)架空の請求、しつこい取り立て
裁判所届いた書類が本物かどうか
Google(サードパーティ ポリシー違反の報告)Google を装う、無断でプロフィールを管理する業者

社内で決めておくこと

  • 請求書を受け取ったら、払う前に経理か代表者が取引先の一覧と照らす
  • 電話の営業には、その場で「はい」と答えず「担当から折り返します」で切る
  • 申込書やファクスに、名前や印を書く前に代表者に見せる
  • ビジネスプロフィールのユーザーの一覧を、ときどき見直す

電話の営業への受け答えは「Googleから来た」MEOの営業電話への対応で、勧誘の言葉の見分け方はMEOの悪質な業者の見分け方で説明しています。ドメインの更新を装う請求についてはドメインの更新を装う請求に注意にまとめています。

よくある質問

Googleマップに載せるのに、掲載料はかかりますか。

かかりません。Googleのサードパーティ ポリシーは、ビジネスプロフィールそのものは追加の料金がかからない道具であることを、業者がお客様に伝えるよう求めています。Googleは、お金と引き換えに順位を上げることもしていません。「Googleマップの掲載料」という名目の請求は、Googleからのものではありません。

身に覚えのない請求書に書かれた番号へ、問い合わせてもよいですか。

まったく心当たりが無いなら、連絡しないのが基本です。国民生活センターは、架空の請求に書かれた電話番号には連絡しないよう呼びかけています。連絡すると、こちらの情報が相手に渡り、別の名目で請求されることがあります。社内の誰かが申し込んだ心当たりがあるときは、先に弁護士に相談し、契約の根拠を書面で求めます。

裁判所の名前で書類が届きました。無視してよいですか。

無視してはいけません。裁判所は、身に覚えがないとして放置すると、架空の請求でも判決などが出て強制執行を受けるおそれがあると注意しています。書類に書かれた番号ではなく、自分で調べた裁判所の番号に問い合わせ、本物なら期限までに対応できるよう、すぐに弁護士に相談します。

参考にした資料

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