メニュー表の作り方|並べ方・税込の価格表示・紙と加工

/ Lapisデザインラボ

メニュー表は、店に入ったお客様が必ず手に取る印刷物です。料理の写真や書体に目が行きがちですが、作るときに先に決めておきたいのは、品目をどの順に並べるか、価格をどう書くか、料理名や産地をどこまで書くか、そして何回作り直す前提で紙と加工を選ぶか、の4つです。

この記事では、メニュー表を作る・作り直すときの手順を、品目の並べ方、税込の価格の書き方(総額表示)、テイクアウトがある店の価格の書き方、料理名や産地の表記の注意、紙と加工の選び方の順にまとめます。価格と表記の決まりは、国税庁・財務省・消費者庁・農林水産省の資料で確かめた範囲で書いています。

店名やロゴ、看板と合わせた開業前の準備の全体はカフェ・飲食店のロゴとメニューデザインで説明しているので、ここではメニュー表そのものの作り方に絞ります。

メニュー表を作る手順

  1. 品目と価格を確定する:載せる料理・飲み物と、税込の価格を一覧にします。季節で入れ替わる品目には印をつけておきます
  2. 分類と並べ方を決める:お客様が探す順番に沿って分類します(次の章)
  3. 表記を確かめる:料理名・産地・製法の言葉が事実と合っているか、仕入れの記録と照らし合わせます
  4. 形を決める:1枚もの、二つ折り、ブック型、卓上スタンドなど、席と使い方に合う形を選びます
  5. 紙と加工を決める:汚れや水に強くするか、差し替えやすくするかで選びます
  6. 試しに使ってみる:家庭用のプリンターで実物大に刷り、席に置いて、照明の下で読めるか、注文しやすいかを確かめます

品目の並べ方

並べ方に正解は一つではありませんが、次の考え方で整理すると、お客様が迷いにくくなります。

考え方具体的には
注文の流れに沿う前菜→主菜→ご飯もの→デザート→飲み物のように、頼む順に並べる
分類ごとに見出しをつける「定食」「一品」「ドリンク」など、短い見出しで区切る
1つの分類の品数を絞る1つの見出しの下に品目が多すぎると選びにくい。多いときは分類を分ける
頼んでほしい料理を目立たせる看板の料理だけ写真を入れる、枠で囲む、見出しのすぐ下に置く
価格の位置をそろえる品名の右か下か、どちらかに統一して、端をそろえる

良い例と悪い例

  • 良い例:分類ごとに見出しがあり、看板の料理1品だけに写真と短い説明がある。価格は右端にそろっている
  • 悪い例:全品に写真があり、どれが店のおすすめか分からない。価格の位置が品目ごとにばらばらで、比べにくい

写真を全品に入れると、紙面が埋まって文字が小さくなりがちです。写真は看板の料理に絞り、ほかは品名と一言の説明で伝えると、読みやすさを保てます。

価格の書き方:税込の総額表示

消費者に前もって示す価格は、消費税を含めた総額で示すことが消費税法で決められています(総額表示)。国税庁の説明では、値札・チラシ・カタログなど、表示の媒体を問わず対象になるとされ、店内のメニューも同じです。

国税庁が示している書き方の例を、税抜1,000円(税込1,100円)の品に当てはめると次のようになります。

書き方の例総額表示として
1,100円認められる
1,100円(税込)認められる
1,100円(税抜価格1,000円)認められる
1,100円(うち消費税額等100円)認められる
1,000円(税込価格1,100円)認められる

税込の価格さえ分かれば、税抜の価格を併記することもできます。ただし財務省は、税抜の価格をことさら強調して消費者に誤認を与えるような表示は、景品表示法の問題が生じるおそれもあるとしています。税抜の価格を大きな文字にし、税込の価格を小さく添える、といった書き方は避けましょう。

サービス料がかかる店では、財務省の資料に「上記税込価格にサービス料として10%を頂戴いたします。」という表示の例があります。メニューの下や表紙の裏など、注文の前に目に入る場所に書いておきます。

テイクアウトがある店の価格の書き方

店内で食べると税率10%、持ち帰りは軽減税率の8%と、税率が違うため、同じ料理でも税込の価格が変わることがあります。財務省の資料では、メニューの書き方として次の3つの方法が示されています。

方法メニューの書き方向いている店
両方を書く店内と持ち帰りの税込価格を並べて書き、どちらがどちらかを添える持ち帰りの注文が多い店
一方を書いて掲示する店内の税込価格だけを書き、「テイクアウトの場合、税率が異なりますので、別価格となります」と掲示する持ち帰りが少ない店
同じ価格にそろえる店内と持ち帰りの税込価格を同じにするメニューとレジを簡単にしたい店

なお、2026年9月15日に閣議決定された大綱では、法案が国会で成立した場合、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の税率を1%に引き下げるとされています(国税庁の説明。対象は現在の8%の飲食料品と同じ範囲で、店内での飲食は含まれません)。持ち帰りの価格を印刷している店は、印刷する時期と部数を、制度の動きを見ながら決めると、刷り直しの無駄を減らせます。切り替えの前後には、値札の貼り替えが間に合わない場合の総額表示の特例も設けられる予定です。

料理名と産地の書き方

料理名は実際の食材と合わせる

消費者庁は、店内のメニューや料理名の表示も景品表示法の対象になるとし、問題になりうる例を示しています。たとえば次のような表示です。

  • 成形肉を使った料理を、そのことを料理名の近くに書かずに「ステーキ」と書く
  • 牛脂を注入した肉を「霜降り」と書く
  • 機械で作った麺を「手打ち」、仕入れたパンを「自家製パン」と書く
  • 植物性の油脂を使ったホイップを「生クリーム」、スパークリングワインを「シャンパン」と書く

一方、「鴨南蛮」に合鴨を使うなど、一般に通じている呼び方は問題にならない例として挙げられています。迷う言葉は、仕入れの記録で裏付けられるかを確かめてから使います。

ご飯ものの産地を伝える

米トレーサビリティ法により、外食店は、提供する米飯類の産地を一般のお客様に伝えることが求められています。農林水産省の案内では、メニューや店内のチラシ、ショップカードなどに産地を書く方法と、「産地情報については、店員にお問い合わせください。」と掲示して店員が答える方法が示されています。メニューに「お米:国産」のように一行入れておくと、掲示を別に用意せずに済みます。

アレルギーの情報

外食のメニューには、包装された食品のようなアレルギーの表示の義務はありません。ただし消費者庁は、外食でもアレルギーの情報をできる範囲で提供することを求めています。メニューの表紙や裏に「アレルギーのある方は、注文の前にお知らせください」と書いておくと、注文のときに確かめるきっかけになります。ホームページでの載せ方は飲食店にホームページは要るかで触れています。

紙と加工の選び方

メニュー表は、水や油で汚れやすく、何度も手に取られます。作り直す頻度に合わせて選びます。

作り方特徴向いている店
普通紙にプリンターで印刷安くすぐ作れるが、汚れや水に弱い日替わりの品目が多い店
家庭用・店舗用のラミネート汚れに強く、作り直しも手軽。厚みと光の反射が出る開業直後、価格の変更が多い店
印刷会社でPP貼りフィルムを貼って汚れや水に強くする。つや有りとつや消しがある定番のメニューを長く使う店
耐水性のある紙紙自体が水に強く、拭いて使える屋外の席、水まわりが多い店
ブック型・ファイル中の紙を差し替えられる季節の品目を入れ替える店

紙の種類や加工の違いは紙と加工の選び方で詳しく説明しています。印刷会社に頼む場合は、仕上がりの大きさ、片面か両面か、加工、部数に加えて、「価格の変更がどのくらいの頻度であるか」を伝えると、差し替えやすい形を提案してもらいやすくなります。

印刷に出す前のチェックリスト

  • 価格はすべて税込で、総額が分かる書き方になっているか
  • 持ち帰りの価格の書き方と、店内の掲示がそろっているか
  • 料理名・産地・製法の言葉が、仕入れの記録と合っているか
  • ご飯ものの産地を伝える一行、またはお問い合わせの掲示があるか
  • 席の照明の下で、いちばん小さい文字が読めるか

まとめ

メニュー表は、品目と税込の価格を確定し、注文の流れに沿って分類し、表記を確かめてから、作り直す頻度に合う紙と加工を選ぶ、という順で作ると迷いにくくなります。価格は税込の総額で書き、税抜の価格を強調しないこと、持ち帰りの価格の書き方を決めておくこと、料理名と産地を事実に合わせることが、表記の基本です。

Lapisデザインラボでは、メニュー表のデザインから印刷までご相談いただけます。費用の目安は料金プランをご覧ください。

よくある質問

メニューの価格は税込で書かないといけませんか。

消費者に前もって示す価格は、税込の総額で示す決まり(総額表示)があり、メニューも対象です。「1,100円」「1,100円(税込)」「1,100円(税抜価格1,000円)」などの書き方が認められています。税抜の価格を併記する場合も、税込の価格がはっきり分かるようにします。

店内とテイクアウトで価格が違う場合、メニューにどう書けばよいですか。

財務省の資料では、両方の税込価格を書く方法、どちらか一方の税込価格を書いて「テイクアウトの場合は別価格となります」と店内に掲示する方法、店内とテイクアウトを同じ税込価格にそろえる方法が示されています。メニューの作りやすさと、レジでの間違えにくさで選びます。

メニュー表は家庭用のラミネートでもよいですか。

品目や価格を頻繁に変える店や、開業直後で内容が固まっていない店では、手軽に作り直せる家庭用のラミネートも選択肢です。長く使う定番のメニューは、印刷会社でPP貼りなどの加工をしてもらうと、見た目と耐久性を両立しやすくなります。

参考にした資料

あわせて読みたい

Contact

まずは、どのプランが合うか
ご相談ください。

事業の内容と、いまお使いのロゴや印刷物の状況を伺い、合うプランと日程をお返事します。ご相談は無料です。