カフェ・飲食店のロゴとメニューデザイン|開業前に決めること

/ Lapisデザインラボ

カフェや飲食店を開く準備は、物件探し、内装、厨房の機器、仕入れ、許可の申請と、やることが山のようにあります。その中で、ロゴや看板、メニューのデザインは、つい後回しになりがちです。開店の直前に慌てて決めて、看板とメニューとショップカードで店の名前の書き方がばらばら、ということもよく起きます。

店の見た目は、お客様が最初に店を知り、入るかどうかを決める手がかりです。この記事では、開業の前に、店名、ロゴ、看板、メニュー、ショップカードをどの順で、どう揃えればよいかを説明します。

開業までに作るものの一覧

作るもの使う場面決めておくこと
店名とロゴすべての基になる表記(漢字・かな・英字)、ロゴの形、色
看板・のれん通りから店を見つけてもらう大きさ、設置の場所、条例の決まり
メニュー店内での注文、ホームページ、Googleマップ構成、価格、写真の有無
ショップカード会計のときに渡す。再来店のきっかけ住所、営業時間、SNS、地図
包装・シール・カップテイクアウトロゴの小さい版
ホームページ・SNS・Googleマップ探している人に見つけてもらう写真、営業時間、予約の方法

これらは全部、店名とロゴから始まります。だからこそ、ロゴは早めに決めておく必要があります。

店名を決めるときに確かめること

店名は、あとから変えるのが大変なものです。決める前に、次のことを確かめます。

  • 読みやすいか:初めて見た人が読めるか。電話で伝えられるか
  • 検索で見つかるか:店名で検索したときに、ほかの有名な店や言葉に埋もれないか
  • 同じ地域に似た名前の店が無いか:Googleマップで地域を絞って探す
  • 商標として登録されていないか:特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べる
  • ドメインとSNSの名前が取れるか:店名に近い名前が空いているか

特に、将来、店を増やしたい、焼き菓子や豆を通販で売りたい、という計画がある場合は、商標の確認を早めにしておきます。登録の考え方はロゴの商標登録は必要かで説明しています。

飲食店のロゴは小さく使う場面が多い

飲食店のロゴは、看板のように大きく使う場面よりも、小さく使う場面の方がずっと多い業種です。ショップカード、テイクアウトのカップ、シール、紙袋、SNSのアイコン、Googleマップのプロフィール。どれも指先ほどの大きさで表示されます。

そのため、ロゴを頼むときは、次のことを伝えておきます。

  • 小さくしても読める、形の分かる版がほしい
  • 1色で刷るとき(スタンプ、焼き印、シール)の形がほしい
  • 横長と縦長、マークだけの版がほしい
  • 店の雰囲気(落ち着いた、にぎやか、素朴、上品)と、主なお客様

細い線や小さな文字を多く使ったロゴは、大きな看板ではきれいでも、カップやアイコンではつぶれてしまいます。ロゴを頼むときに伝えることはロゴを依頼する前に決めることにまとめています。

看板は条例を確かめてから

看板やのれん、店先に出す立て看板は、屋外広告物として、地域の条例の決まりを受けることがあります。国土交通省の説明では、都道府県、指定都市、中核市などが、屋外広告物法にもとづいて条例を定め、地域によっては看板を出すのに許可が要る仕組みになっています。景観を守る地域では、色や大きさにも基準があることがあります。

看板の業者に頼む前に、物件のある地域の条例を確かめ、ビルの場合は管理会社の決まりも確かめます。看板の頼み方は看板デザインを頼むときの流れと費用の目安で説明しています。

メニューのデザイン

メニューは、店の見た目と、売り上げの両方に関わる大切な印刷物です。作るときは、次の点を考えます。

  • 構成:お客様が迷わない順番に並べる。一番頼んでほしい料理を目立つ所に置く
  • 写真:写真を入れるなら、全部ではなく看板の料理に絞ると、選びやすくなる
  • 価格の表記:税込みの価格を分かりやすく書く
  • 差し替えやすさ:季節の料理や価格の変更がある店は、差し替えられる形(挟み込み、黒板、ラミネートの別紙)にする
  • 外国語:観光のお客様が多い地域なら、英語などを添える

メニューに産地や製法を書くときは、事実であることが前提です。消費者庁の説明では、景品表示法は、商品やサービスの品質などを、実際のものよりも著しく優良であると示す表示(優良誤認表示)を禁じています。「国産」「手作り」「無添加」などの言葉は、仕入れの記録で裏付けられる範囲で使い、仕入れ先が変わったらメニューも直します。

ショップカードと包装

ショップカードは、お客様が店を思い出すきっかけになる小さな紙です。店名とロゴ、住所、地図、営業時間、定休日、電話番号、SNSやホームページの二次元コードを載せます。営業時間が変わる可能性がある場合は、細かく書かずに、SNSやホームページで確かめてもらう形にしておくと、刷り直しが減ります。

テイクアウトの包装、シール、紙袋は、ロゴの小さい版と、決めた色を使って揃えます。小ロットで作れる印刷の方法もあるので、まずは少なく作って、使い勝手を見てから増やします。印刷の頼み方はネット印刷と印刷会社の使い分けで説明しています。

見た目を揃えるための決まりを1枚に

開業の準備では、看板の業者、印刷会社、内装の業者、ホームページの制作と、たくさんの相手に店の見た目を伝えることになります。そのたびに説明がずれると、少しずつ違う色や書体が混ざっていきます。

ロゴができたら、次のことをA4の紙1枚にまとめ、ロゴのデータと一緒に全員に渡します。

  • ロゴの版の一覧(横長、縦長、マークだけ、1色)
  • 色の値(印刷の色と画面の色)
  • 使う書体の名前
  • ロゴの周りに空ける余白と、最小の大きさ
  • 店名の正しい表記(漢字、かな、英字の使い分け)

この1枚があるだけで、業者ごとの確認の手間が減り、開業の後に新しい印刷物を作るときも迷いません。

開業までの順番

  1. 店のコンセプトを決める:誰に、どんな時間を過ごしてほしい店か
  2. 店名を決め、確認をする:商標、似た名前の店、ドメインとSNS
  3. ロゴと色を決める:内装の工事が始まる頃までに
  4. 看板の条例を確かめ、看板を頼む
  5. メニューを作る:料理と価格が決まったら
  6. ショップカード、包装を作る
  7. 写真を撮り、ホームページ、SNS、Googleマップを整える:開業の数週間前から告知できるように

内装の色や素材も、ロゴと色が決まっていると選びやすくなります。内装の業者とデザインの依頼先に、同じロゴと色の決まりを渡しておくと、店全体の印象が揃います。

予算が限られているときに先に作るもの

開業の資金は限られています。全部を一度に作れない場合は、次の順で考えます。

  • 先に作る:店名とロゴ、色、看板、メニュー、ショップカード
  • 後からでもよい:ホームページ(はじめはGoogleマップとSNSで補う)、凝った包装、グッズ

ロゴと色さえ決まっていれば、後から作るものも同じ見た目で揃えられます。ホームページが要るかどうかは飲食店にホームページは要るかで説明しています。

Lapisデザインラボでは、ロゴと名刺から、販促物、ウェブページまでを揃えるプランを用意しています。内容と料金はサービスと料金に載せています。

よくある質問

飲食店のロゴは、開業のどのくらい前に頼めばよいですか。

ロゴは、看板、のれん、メニュー、ショップカード、包装、ホームページ、Googleマップの写真など、開業の準備の多くに使います。看板の製作や印刷には、それぞれ日数がかかるため、ロゴは内装の工事が始まる頃までには決まっている状態にしておくと、あとの準備が詰まりません。ロゴ作りそのものにも、聞き取りから納品まで数週間から1か月以上かかることがあります。

店名とロゴは、商標登録した方がよいですか。

必ず要るわけではありませんが、将来、店を増やしたい、商品を売りたい、という計画があるなら検討の価値があります。まずは、同じような名前がすでに商標として登録されていないかを、特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べておくと安心です。登録するかどうか、どの範囲で登録するかは、弁理士や知財総合支援窓口に相談できます。

メニューに「国産」「手作り」と書くときに、気をつけることはありますか。

書いたことが事実であることが前提です。景品表示法では、商品やサービスの品質などを、実際のものよりも著しく優良であると示す表示(優良誤認表示)が禁じられています。産地や製法をメニューに書くなら、仕入れの記録などで裏付けられる範囲にし、仕入れ先が変わったときはメニューも直します。

参考にした資料

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