チラシや名刺にQRコードを入れる|大きさ・置き場所・リンク先の決め方

/ Lapisデザインラボ

チラシや名刺、店頭のポスターに QRコードを入れておくと、読んだ人がホームページや予約のページにすぐ移れます。紙の上には書ききれない情報を、スマートフォンの画面で補えるのが利点です。一方で、小さすぎて読み取れない、刷ったあとにリンク先のページが無くなっていた、という失敗も起こりやすいものです。

この記事では、印刷物に QRコードを入れるときの大きさの決め方と計算の例、周りに空ける余白、置き場所、色とデザインの注意、長く使えるリンク先の決め方を整理します。あわせて、「QRコード」という名称を使うときに求められる登録商標の表記と、入稿前に確かめることもまとめました。

QRコードの大きさは何で決まるか

QRコードは、白と黒の小さな四角い点が並んでできています。この1つ1つの点を「セル」と呼びます。QRコードの大きさは、1セルの大きさと、1辺に並ぶセルの数の掛け算で決まります。

1辺のセルの数は「バージョン」で決まります。いちばん小さいバージョン1は1辺21セルで、バージョンが1つ上がるごとに1辺のセルが4つずつ増え、バージョン40まであります。どのバージョンになるかは、入れるデータの量(URLの文字数など)、文字の種類、誤り訂正のレベルで決まります。

誤り訂正とは、コードの一部が汚れたり欠けたりしても読み取れるようにする仕組みで、L・M・Q・H の4段階があります。レベルを上げるほど汚れに強くなりますが、コードは大きくなります。一般にはレベル M が使われることが多いとされています。

つまり、**URLが長いほど、また誤り訂正のレベルを上げるほど、セルの数が増えてコードは大きくなります。**同じ大きさで刷るなら、セルが細かくなって読み取りにくくなります。

印刷する大きさの決め方と計算の例

QRコードドットコムでは、セルが大きいほど読み取りやすくなるため、印字できる範囲でできるだけ大きく印字することをすすめています。一般的なレーザープリンタでは1セル0.17mm程度が最小とされていますが、これは「刷れる」限界の話で、スマートフォンで楽に読み取れる大きさとは別です。

印刷物に入れるときは、1セルの大きさとセルの数から、仕上がりの大きさを計算してみます。周りには、4辺それぞれにセル4つ分以上の余白(何も置かない白い部分)が必要です。

1辺のセルの数1セルの大きさコードの大きさ余白を含む大きさ
29セル(バージョン3)0.4mm約11.6mm角約14.8mm角
29セル(バージョン3)0.5mm約14.5mm角約18.5mm角
29セル(バージョン3)0.6mm約17.4mm角約22.2mm角
37セル(バージョン5)0.4mm約14.8mm角約18.0mm角
37セル(バージョン5)0.5mm約18.5mm角約22.5mm角
37セル(バージョン5)0.6mm約22.2mm角約27.0mm角

この表は、セルの数と1セルの大きさを掛けただけの計算の例です。「何mm以上なら必ず読める」という決まった基準ではありません。読み取りやすさは、印刷の方法や紙、読み取る人のスマートフォン、読み取るときの距離や明るさでも変わります。

大きさを決めるときの手順は次のとおりです。

  1. URLをできるだけ短くする(後述)。セルの数が減り、同じ大きさでもセルが大きくなります
  2. QRコードを作り、1辺のセルの数を数える(作成ツールでバージョンが表示されることもあります)
  3. 置ける場所の大きさから、余白を含めた大きさを決める
  4. 実寸で試し刷りをし、複数の機種のスマートフォンで読み取る。読み取りに時間がかかるなら、大きくするか、URLを短くします

余白と置き場所

QRコードの周りの余白は、読み取りのために欠かせない部分です。ここに文字や枠線、写真がかかると、読み取れなくなることがあります。デザインの段階で、余白を含めた四角を「置いてはいけない範囲」として確保しておきます。

印刷物ごとの置き場所の考え方は、次のとおりです。

印刷物置き場所の例気をつけること
チラシ申し込みや問い合わせの案内のすぐ横、紙面の下の方何のページに飛ぶかを、コードのすぐ近くに書く
名刺裏面の隅、または表面の連絡先の横名刺は小さいため、URLを短くして大きめのセルを確保する
店頭のポスター目の高さに近い位置離れて立つ人が多いので、読む距離を考えて大きめにする
ショップカード裏面の地図や営業時間の近く予約や地図のページなど、行き先を1つに絞る
商品のタグ・包装平らな面曲面や透明な袋は読み取りにくい

チラシ全体の構成の中での置き方はチラシの構成の定石、名刺に載せる情報の整理は名刺デザインで決めること、遠くから見る掲示物は店頭ポスターの作り方、カードの場合はショップカードの作り方を参考にしてください。

コードの近くには、読み取ると何が見られるかを一言添えます。「ご予約はこちら」「メニューの一覧」など、行き先が分かると読み取ってもらいやすくなります。

色とデザインの注意

QRコードは、白と黒の光の反射の差で読み取ります。QRコードドットコムでは、基本は白の背景に黒で印刷するよう案内しています。色の組み合わせによっては読み取れない場合があり、使うなら事前に十分に確かめる必要があるとしています。

  • 良い例:白い背景に、黒または十分に濃い色で刷る。周りの余白も白のまま残す
  • 悪い例:写真の上や濃い色の背景の上に、薄い色で刷る。白と黒を反転させる。コードの中央にロゴを大きく重ねる

QRコードにイラストを重ねたり、変形させたりすると、少しの汚れや欠けでも読み取れなくなることがあるため、QRコードドットコムではすすめていません。デザインを加えたい場合は、そのための仕組みとして同社が用意している別の種類のコードを検討します。

また、透明な袋に直接刷ると、白に当たる部分が透けて読み取りが難しくなります。ビニールのように光を反射する素材も読み取りの妨げになります。透明な素材に入れるときは、白い下地を刷るか、白い紙のラベルに刷って貼るのが確実です。印刷の方法そのもの(オフセット印刷、インクジェットなど)は問わないとされています。

リンク先の決め方

印刷物は、刷ったあとに直せません。リンク先は、印刷物が配られている間ずっと開けるページにしておくことが大切です。

  1. 自社のホームページの中のページにする:自社のドメイン(ホームページの住所)のページなら、自分たちで管理し続けられます
  2. 短いURLにする:たとえば自社ドメインの後ろに短い言葉を付けたページにすると、セルの数が減ってコードが小さく済みます
  3. ページを移すときは転送を設定する:ホームページを作り直してページの場所が変わる場合は、古いURLから新しいURLへ自動で移る設定(リダイレクト)を入れてもらいます
  4. 外部のサービスに頼りすぎない:短縮URLのサービスや、あとからリンク先を変えられる有料の QRコードのサービスは便利ですが、サービスが終わったり契約が切れたりすると、刷ったコードが使えなくなることがあります。使う場合は、続けられるかを考えて選びます
  5. スマートフォンで見やすいページにする:読み取った人はほぼスマートフォンで見ます。ページの最初に、知りたいことが出てくるようにします

ホームページのページの並びや URL の決め方は会社のホームページの構成の例で説明しています。

「QRコード」の商標の表記

「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。ただし、JIS や ISO の規格に沿った QRコードそのものは、ライセンスや使用料なしで、商用でも誰でも自由に使えると同社は案内しています。気をつけたいのは、印刷物の中で**「QRコード」という名称を使う場合**です。デンソーウェーブの FAQ では、次のように案内されています。

項目デンソーウェーブの FAQ の案内
登録商標文の例(和文)「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」
登録商標文の例(英文)QR Code is a registered trademark of DENSO WAVE INCORPORATED in Japan and in other countries.
書体と文字の大きさ制限はないが、読みやすい書体とサイズで
手続き登録商標文を載せれば、名称の利用の手続きは不要
Rマークだけでよいか登録商標であることを示すため、登録商標文の掲載を求めている
載せる場所印刷物のデザインに合わせて決めてよい
載せる単位印刷物は1刊行物・1枚ごと。PDFなどは1デザイン・1枚ごと
載せる場所が無いときカードなど小さな印刷物で難しい場合は、読み取った先のホームページなどに載せる

チラシで「QRコードから予約できます」と書く場合は、紙面の隅に小さく登録商標文を入れておきます。名刺やショップカードのように場所が限られる場合は、読み取った先のページに載せる方法も案内されています。登録商標文を載せずに名称を使うことは控えるよう、同社は求めています。

入稿前のチェックリスト

  • リンク先は自社で管理できるページで、配る期間中ずっと開ける
  • URLをできるだけ短くした
  • コードの周りに、セル4つ分以上の白い余白がある
  • 白い背景に黒(または十分に濃い色)で、反転や変形をしていない
  • コードの近くに、読み取ると何が見られるかを書いた
  • 「QRコード」という名称を使うなら、登録商標文を入れた
  • 印刷データの中のコードが、拡大・縮小で荒れていない(ベクター形式か、十分な解像度)
  • 実寸で試し刷りし、複数の機種のスマートフォンで、ふつうに持つ距離から読み取れた
  • 読み取った先のページが、スマートフォンで正しく表示された

まとめ

印刷物の QRコードの大きさは、1セルの大きさとセルの数で決まり、URLが長いほど大きくなります。URLを短くし、周りにセル4つ分以上の余白を取り、白い背景に黒で、印字できる範囲でできるだけ大きく刷るのが基本です。リンク先は自社で管理できる長く使えるページにし、ページを移すときは転送を設定します。「QRコード」という名称を使うなら、登録商標文を印刷物ごとに入れ、最後に実寸の試し刷りで読み取りを確かめましょう。

Lapisデザインラボでは、チラシや名刺などの印刷物を作るときに、QRコードの置き場所やリンク先のページもあわせてご相談いただけます。内容は料金プランをご覧ください。

よくある質問

QRコードは何mmくらいの大きさで印刷すればよいですか。

QRコードの大きさは、1つの点(セル)の大きさと、データの量で決まるセルの数で決まります。QRコードドットコムでは、印字できる範囲でできるだけ大きく印字することをすすめています。たとえば1辺29セルのコードを1セル0.5mmで刷ると約14.5mm角になり、周りに4セル分の余白が要ります。実際に刷った見本を、複数のスマートフォンで読み取って確かめるのが確実です。

チラシに「QRコード」と書くとき、商標の表記は必要ですか。

「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。同社の FAQ では、印刷物でこの名称を使う場合、「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」のような登録商標文を、印刷物ごとに載せるよう求めています。登録商標文を載せれば、手続きは不要とされています。

QRコードを作ったり印刷したりするのに、使用料はかかりますか。

JIS や ISO の規格に沿った QRコードは、ライセンスや使用料が不要で、商用でも自由に使えるとデンソーウェーブは案内しています。ただし、「QRコード」という名称を印刷物で使う場合は、登録商標文の掲載が求められます。

参考にした資料

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