ロゴのステッカー・シールを作る|用途ごとの素材と入稿データ
ロゴのステッカーやシールは、店の窓やドアに貼る、商品の袋や箱に封として貼る、イベントで配る、社用車や備品に貼るなど、使い道の多い販促物です。少ない枚数から作れるネット印刷も増え、ロゴができたら最初に作ってみたいものの一つでもあります。
ただ、紙とフィルムのどちらを選ぶか、屋外に何か月貼るのか、ロゴの形に沿って切り抜くのかによって、選ぶ素材も、作るデータも変わります。この記事では、用途ごとの素材の選び方、屋外で使うときの注意、カットの仕上げ方、小ロットで作るときの費用の目安、カットライン(カットパス)を含む入稿データの作り方を、順に整理します。
シールとステッカーの違い
一般には、紙に印刷して小さく貼るものを「シール」、フィルムなど丈夫な素材で作り、屋外や持ち物に貼るものを「ステッカー」と呼ぶことが多いようです。商品の表示に使うものは「ラベル」と呼ばれます。ただし、呼び分けは印刷会社によって違い、同じ素材でも商品名が異なることがあります。
注文するときは、名前よりも次の3つで選ぶと迷いません。
- 素材:紙か、合成紙か、フィルム(塩ビ・PET など)か
- 貼る場所:屋内か屋外か、平らな面か曲面か、水に濡れるか
- 仕上げ:台紙にまとめて並べるか、1枚ずつ切り分けるか、ロゴの形に沿って切り抜くか
用途ごとの素材の選び方
素材によって、水への強さ、屋外で持つ期間、見た目が変わります。ネット印刷の案内をもとに、主な素材と向いている用途を整理しました。
| 素材 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 光沢紙・強光沢紙 | ツヤがあり発色がよい。水には弱い | 屋内で使う封シール、配布用のシール、ショップカードに添えるシール |
| 合成紙(耐水) | 水に強く破れにくい | 水回り、冷たい飲み物の容器、短期間の屋外 |
| 透明フィルム(PET) | 透明で硬め。曲面には不向き | 店の窓やドアのガラス、透明な容器 |
| 白い塩ビ(PVC) | やわらかく、ゆるやかな曲面に貼れる。屋外向き | 屋外の看板や設備、社用車、自転車 |
| 透明な塩ビ | 白い塩ビと同程度の耐久性で透明 | 店舗のガラス面、丸みのある容器 |
| 金・銀、クラフト紙、和紙など | 高級感や手作りの雰囲気が出る | 贈答品の封、商品のワンポイント |
ラミネート加工(表面に薄い透明フィルムを貼る加工)を加えると、耐久性が上がって汚れに強くなり、インクが削れにくくなります。光沢とマットがあり、マットにすると落ち着いた質感になります。屋外で使うステッカーや、人の手に何度も触れるものには、ラミネートを付けておくと安心です。
屋外で使うときの注意
屋外に貼るステッカーは、雨や日光、温度の変化にさらされます。ラクスルの屋外用ステッカーの案内では、白い塩ビは長期間(1年程度まで)の屋外利用に適し、合成紙や透明な PET は短期間の屋外利用向けとされています。屋外で使う前に、次の点を確かめます。
- 期間:数日のイベントか、1年近く貼り続けるか。長く貼るなら塩ビ+ラミネート
- 熱:塩ビの耐熱の目安は約80℃とされ、エンジンの近くなど常に高温になる場所には向かない
- ガラスの熱割れ:直射日光が当たるガラス面の全体を覆うような大きなステッカーは、ガラスが熱を吸収して割れるおそれがあるため避ける
- 曲面:硬い PET は曲面に向かない。丸みのある場所には塩ビを選ぶ
- はがすこと:あとではがす予定があるなら、はがしやすいのり(再剥離のり)を選べるか確かめる
透明な素材や金・銀、クラフト紙に印刷するときは、色が下地に透けて沈んで見えることがあります。その場合は、先に白のインクを敷く「白版」を付けると、ロゴの色がはっきり出ます。白版の有無で入稿データの作り方が変わるため、注文前に決めておきます。
形と仕上げ方の選び方
ステッカーの仕上げ方は、印刷会社によって呼び方が違いますが、おおむね次の4つです。
| 仕上げ方 | どんな形で届くか | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 台紙にまとめる | 1枚の台紙に、複数のシールが並ぶ | 自分たちで貼る封シール、商品への貼り付け |
| 四角くカット | 1枚ずつ四角い台紙に切り分けられる | 手渡しで配るシール |
| 台紙ごと形に沿ってカット | ロゴの形のまま、台紙も切り抜かれる | イベントの配布用、ノベルティ |
| ロール | 細長い台紙に連続して並び、巻いてある | 機械で大量に貼る商品ラベル |
仕上げ方によって、注文できる最小のサイズも変わります。ラクスルのデータ作成ガイドでは、台紙にまとめる「おまかせ仕上げ」は短辺5mmから、四角カットと台紙ごとカットは短辺40mmから、ロールは短辺20mmからとされています。ロゴの形に沿って切り抜く場合、細かく入り組んだ形は切りにくく、角を丸めたり、ロゴの周りに縁を付けたりして、外形を単純にするのが一般的です。
小ロットで作るときの費用の目安
ネット印刷では、100枚程度からの小ロットでも注文できます。2026年10月時点のラクスルの公開価格(100枚、いちばん小さいサイズなどの条件での起点の価格、税込)は、次のとおりです。
| 商品 | 100枚の起点価格(税込) |
|---|---|
| おすすめシール(強光沢紙) | 2,471円〜 |
| 定番シール(光沢紙) | 2,824円〜 |
| 定番ステッカー(強光沢紙、1枚ずつ切り離し) | 2,996円〜 |
| 定番シール(合成紙・耐水) | 3,538円〜 |
| ロゴステッカー | 3,731円〜 |
| 透明ステッカー | 7,518円〜 |
| 屋外用ステッカー(塩ビ) | 9,653円〜 |
紙のシールは100枚で数千円から、屋外用の塩ビやラミネート付きのものは1万円前後からが、ひとつの目安です。実際の金額は、サイズ、枚数、仕上げ方、白版やラミネートの有無、納期で変わります。価格は改定されることがあるため、注文の前に料金表で確かめてください。デザインやデータ作りを外に頼む場合は、印刷代とは別に費用がかかります。
ネット印刷と、地域の印刷会社のどちらに頼むかの考え方は、ネット印刷と印刷会社の使い分けにまとめています。
入稿データの作り方とカットライン
ステッカーやシールのデータには、印刷する絵柄のほかに、どこで切るかを示す線が要ります。この線を「カットライン」または「カットパス」と呼びます。ラクスルのデータ作成ガイドをもとに、作るときの手順を整理します。
- 仕上げ方を決める:台紙にまとめるか、四角カットか、形に沿って切るか。仕上げ方で塗り足しや余白の幅が変わるため、最初に決めます
- 注文サイズでカットパスを描く:注文するサイズとカットパスの大きさを必ず一致させます。カットパスの角は90度以上にし、点の数を多くしすぎないようにします
- レイヤーを分ける:絵柄、カットパス、白版は、それぞれ別のレイヤー(重ねた層)に置きます。Illustrator 以外のソフトで作るときは、カットパスの線が入ったデータと、線を消した印刷用のデータの2つを入稿します
- 塗り足しを付ける:背景を端まで印刷するなら、カットパスの外側まで背景を伸ばします(下の表)
- 文字や線を内側に収める:切る位置のずれで欠けないよう、文字やロゴはカットパスから内側に離して置きます
- 細かさと色を確かめる:文字は6pt以上、線は0.3pt(約0.1mm)以上にします。写真は350〜400ppi 程度の解像度にし、ごく薄い色は印刷に出なかったり、点の模様が見えたりすることがあるため避けます
| 仕上げ方 | 塗り足しの幅 | カットパスから絵柄までの余白 |
|---|---|---|
| おまかせ仕上げ(台紙にまとめる) | 2mm以上 | 1mm以上 |
| 四角カット・ロール | 2mm以上 | 2mm以上 |
| 台紙ごとカット | 3mm以上 | 2mm以上 |
数値は印刷会社ごとに違うため、注文する会社のガイドとテンプレートで必ず確かめます。円や四角など単純な形であれば、カットパスを印刷会社が作ってくれるサービスもあります(たとえばグラフィックでは、正方形・長方形・角丸・正円・楕円のカットパスは同社で作成すると案内しています)。塗り足しや解像度の基本は印刷の入稿データで失敗しないために、画面と印刷の色の違いは画面と印刷で色が違う理由で説明しています。
ロゴをステッカーにするときのデザインの注意
ロゴをそのまま貼り付けるだけでなく、ステッカーの大きさと形に合わせて、使うロゴの形を選びます。
- 良い例:直径30mmほどの丸いシールに、シンボルマークだけを1色で大きく入れる。形に沿って切るステッカーは、ロゴの周りに白い縁を付けて外形を単純にする
- 悪い例:横に長いロゴを小さな丸いシールに入れ、社名の文字が細くつぶれる。細い線や小さな文字がカットパスのすぐ近くにあり、切る位置のずれで欠ける
どの形のロゴを使うかの考え方は、ノベルティ・販促品のデザインでも触れています。ロゴのデータは、拡大しても荒れないベクター形式(AI・PDF・SVG など)で入稿するのが基本です。
注文前のチェックリスト
- 貼る場所(屋内・屋外、平面・曲面、ガラス・金属など)と、貼っておく期間を決めた
- 素材と、ラミネート・白版・はがしやすいのりの要否を決めた
- 仕上げ方(台紙にまとめる・四角カット・形に沿ってカット・ロール)を決めた
- 注文サイズが、仕上げ方の最小サイズより大きい
- カットパスが注文サイズと一致し、絵柄と別のレイヤーにある
- 塗り足しと、カットパスから内側の余白を取った
- 文字は6pt以上、線は0.3pt以上で、ごく薄い色を使っていない
- 枚数と、料金表での金額・納期を確かめた
まとめ
ロゴのステッカーやシールは、貼る場所と期間から素材を選び、使い方から仕上げ方を決め、仕上げ方に合わせて入稿データを作ると、失敗が少なくなります。屋内の封シールなら紙で十分なことが多く、屋外に長く貼るなら塩ビにラミネートが基本です。データでは、カットパスを注文サイズで描き、塗り足しと内側の余白を取ることが大切です。費用は紙のシールなら100枚で数千円からと、小ロットでも試しやすいので、まずは少ない枚数で貼り心地や色を確かめてみるのも一つの方法です。
Lapisデザインラボのロゴの制作では、拡大や縮小で崩れない形式(AI・SVG)を含むロゴのデータを、カラーと白黒でお渡ししています。内容は料金プランをご覧ください。
よくある質問
ロゴのシールは何枚から作れますか。
ネット印刷では、少ない枚数から注文できるところが多くあります。たとえばラクスルでは、シール・ステッカーの多くの商品が100枚単位の料金表で、1枚から注文できると案内されています。ただし、枚数が少ないほど1枚あたりの単価は高くなるため、使う枚数と保管できる期間を考えて決めます。
屋外に貼るステッカーは、どの素材を選べばよいですか。
長く貼っておくなら、塩ビ(PVC)のフィルム素材にラミネート加工を組み合わせるのが一般的です。短期間のイベントなどなら、耐水性のある合成紙や透明の PET フィルムも使えます。直射日光が当たり高温になる場所や、ガラス面全体を覆う大きなステッカーは、素材の劣化やガラスの熱割れに注意が必要です。
カットライン(カットパス)は自分で作らないといけませんか。
丸や四角など単純な形なら、印刷会社が作ってくれるサービスがあることが多いです。ロゴの形に沿って切り抜く場合は、ロゴのデータを作った制作者に、カットパスを入れた入稿データを作ってもらうのが確実です。