食品メーカーのホームページ|商品と取引先向けの情報の分け方

/ Lapisデザインラボ

食品メーカーのホームページは、性格の違う2種類の読み手に見られます。一つは、店で商品を見かけて「どこで買えるか」「どんな材料か」を確かめる一般の消費者です。もう一つは、スーパーや百貨店、卸、飲食店などで、商品を扱うかどうかを検討している取引先の担当者です。

この2つの読み手に向けた情報が一つのページに混ざっていると、消費者は工場の設備の説明を読まされ、バイヤーは商品の規格を探して何度も行き来することになります。この記事では、中小の食品メーカーのホームページで、一般向けの情報と取引先向けの情報をどう分けるかをまとめます。製造業の会社案内とホームページの全体の考え方は製造業の会社案内とホームページで説明しているので、ここでは食品に特有のことに絞ります。

読み手ごとに知りたいことが違う

読み手知りたいこと
一般の消費者味や食べ方、原材料とアレルギー、買える場所、ネットで買えるか
スーパー・百貨店・卸のバイヤー商品の規格、賞味期間、保存の温度、最小のロット、納品までの日数
飲食店・給食などの業務用の担当業務用の容量、使い方、安定して出荷できるか
OEM(他社の商品の製造)を頼みたい会社作れる品目、設備、最小のロット、衛生管理の体制
働きたい人会社の考え方、仕事の内容

ページの分け方

上部のメニューで、一般向けと取引先向けの入口をはっきり分けます。

一般向け(商品を探す)取引先向け(お取引について)
商品の一覧と商品ごとのページ業務用・卸の商品の案内
食べ方・使い方商品の規格の一覧
アレルギーの一覧工場と衛生管理
買える店、ネットショップ取引の流れと条件(ロット、納期、配送)
よくある質問OEMの相談
お客様からの問い合わせ商談の問い合わせ

会社の紹介(沿革、所在地、代表者のあいさつ)は両方から見られるため、共通のページとして置きます。問い合わせの入口も、一般の問い合わせと商談の問い合わせを分けておくと、社内で担当に振り分けやすくなります。

一般向けの商品ページ

載せること

商品のページは、店で見かけた人が名前で検索してたどり着くことが多いページです。パッケージの写真と商品名を一致させ、次のことを載せます。

  1. 商品の写真:パッケージの正面と、中身や盛り付けた様子
  2. 商品の説明:味、特徴、おすすめの食べ方
  3. 原材料とアレルギー:パッケージの表示と同じ内容
  4. 内容量、保存の方法、賞味期間:常温・冷蔵・冷凍の別が一目で分かるように
  5. 買える場所:取り扱いの店、ネットショップへの入口

消費者庁の「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック」(2022年6月)では、ECサイトでは商品を手に取れないため、常温・冷蔵・冷凍のどれかが分かりにくいことが課題として挙げられています。アイコンや色で保存の温度を示すと、商品のページでも分かりやすくなります。ネットで直接売る場合は、特定商取引法にもとづく表記も必要です(特定商取引法に基づく表記の書き方)。ネットショップの作り方はネットショップ制作の費用の相場で説明しています。

アレルギーの情報の載せ方

アレルギーの情報は、食べる人の安全に直接関わります。容器や包装のアレルギーの表示は、食品表示基準で定められています。消費者庁の資料(2026年4月時点)では、表示が義務の特定原材料は、えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の9品目です。表示が推奨される特定原材料に準ずるものは、アーモンド、ピスタチオ、マカダミアナッツ、大豆、ごまなど20品目です。

2026年4月1日には、カシューナッツが特定原材料に加えられ、ピスタチオが特定原材料に準ずるものに加えられました。カシューナッツには2年間の経過措置期間が設けられていますが、消費者庁は可能な限り速やかに表示に努めるよう求めています。パッケージの表示を改めるときは、ホームページの情報も同じ時期に直します。

ホームページでは、次の形にすると分かりやすくなります。

  • 商品のページごとに、含まれる特定原材料などを並べる
  • 全商品の一覧表(商品ごとに、特定原材料など29品目の有無を〇×で示す)を1ページにまとめる
  • 一覧表の更新日を書き、「お手元の商品のパッケージの表示を必ずご確認ください」と添える

消費者庁は、包装の表示について、「入っているかもしれない」といった単なる可能性表示は認められないとしています。製造の工程で混入の可能性が排除できない場合は、注意喚起の表示を推奨しています。ホームページでも、パッケージと同じ書き方にそろえます。

ガイドブックでは、アレルギーの情報を目立つように載せること、ピクトグラム(絵の記号)や〇×表など分かりやすい表記を求める消費者が多いことも示されています。

取引先向けのページ

工場と衛生管理

取引を検討する会社は、商品だけでなく、どこでどのように作っているかを確かめます。厚生労働省の説明では、2021年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者が、HACCPに沿った衛生管理に取り組むことになっています。工場と衛生管理のページには、次のことを書きます。

  • 工場の所在地と、作っている品目
  • 衛生管理の取り組み(HACCPに沿った衛生管理の方法、温度の記録、異物の対策など)
  • 取得している認証があれば、その名前と範囲(取得していない認証を思わせる書き方はしない)
  • 工場の写真(衛生の決まりに沿った服装で撮る)

商品の規格と取引の条件

バイヤーが社内で検討するときに必要な情報を、まとめて見られるようにします。

項目例
商品名、JANコード商品ごと
内容量、入数(1ケースに何個)〇〇g、〇個入り
賞味期間製造日から〇日
保存の温度常温、冷蔵、冷凍
最小のロット、納品までの日数〇ケースから、受注から〇日
配送の方法常温便、冷蔵便、冷凍便

詳しい商品規格書や卸の価格は、商談の問い合わせを受けてから渡す形にするメーカーが一般的です。ホームページには「商品規格書をご希望の方は、商談の問い合わせからご連絡ください」と書いておくと、どこに頼めばよいかが分かります。

値段の書き方

一般の消費者に向けて値段を示すときは、消費税を含めた総額で書きます。国税庁の説明では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合は、表示の媒体を問わず総額表示の義務の対象とされています。卸の価格のように事業者に向けた価格は、この対象ではありません。

また、2026年4月時点の国税庁のページには、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率が引き下げられ、飲食料品の総額表示の特例が設けられると書かれています。この時期には、ホームページやネットショップの値段の表示も見直します。

更新の体制を決めておく

食品メーカーのホームページで問題になりやすいのは、パッケージを変えたのにホームページが古いままになることです。原材料やアレルギーの情報が食い違うと、問い合わせや信頼の低下につながります。

  1. 商品の情報の元になる表(原材料、アレルギー、内容量、規格)を社内で一つに決める
  2. パッケージを変えるときの手順に、「ホームページを直す」を入れる
  3. 商品の発売や終売のときに、誰がホームページに反映するかを決める

パッケージのデザインと表示の関係は商品パッケージのデザインを頼むときで説明しています。

制作会社に伝えること

  1. 一般向けと取引先向けで、それぞれ載せたい情報
  2. 商品の一覧と、商品ごとの写真、原材料、アレルギー、規格の元になる表
  3. ネットで直接売るかどうかと、売る場合のサービス
  4. 工場と衛生管理について公開してよい範囲
  5. 商品の発売、終売、表示の変更のときに、誰がどう更新するか

商品の数が多いメーカーは、商品の情報を表で管理して、商品のページと一覧表に同じ内容が出る作りにすると、食い違いを防げます。Lapisデザインラボのホームページ制作の内容は、サービスと料金に載せています。

よくある質問

食品メーカーのホームページで、一般向けと取引先向けのページは分けたほうがよいですか。

分けたほうが、どちらの読み手も迷わずに済みます。一般の消費者は商品の味や食べ方、買える場所を知りたい一方、取引先は商品の規格や取引の条件、工場の衛生管理を知りたがっています。上部のメニューで「商品を探す」と「お取引について」のように入口を分け、それぞれに必要な情報をまとめます。

ホームページにアレルギーの情報を載せる決まりはありますか。

アレルギーの表示は、食品表示基準によって容器や包装に表示するものとして定められています。消費者庁のガイドブックでは、ECサイト上の食品表示情報の掲載は食品表示基準の対象外とされていますが、アレルギーの情報は目立つように、一覧や〇×表など分かりやすい形で載せることが望ましいとされています。ホームページに載せる場合は、包装の表示と同じ内容にそろえます。

取引先向けの商品の規格は、ホームページで公開すべきですか。

サイズ、入数、賞味期間、保存の温度、JANコードなどの基本の情報は、商品のページや取引先向けのページに載せておくと、バイヤーが社内で検討しやすくなります。詳しい商品規格書や卸の価格は、問い合わせを受けてから渡す形にするメーカーが一般的です。

参考にした資料

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