英語の名刺の作り方|氏名・肩書き・住所の英語表記
名刺の裏面を英語にするとき、迷いやすいのは「名前は姓と名のどちらを先に書くか」「肩書きは何と訳すか」「住所はどの順番で書くか」の3つです。どれも唯一の正解があるわけではありませんが、公的な資料に考え方の目安があり、それに沿って社内で1つに決めて、すべての媒体でそろえることが大事です。
この記事では、英語の名刺に載せる項目と、氏名・肩書き・部署名・会社名・住所・電話番号の書き方を、政府や日本郵便の資料をもとに整理します。名刺全体のレイアウトや紙の選び方は名刺デザインで決めることで扱っているので、ここでは英語の表記に絞ります。
英語の名刺に載せる項目
英語面に載せる項目は、日本語面とほぼ同じです。並べ方の一例は次のとおりです。
| 項目 | 例 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ロゴ | 日本語面と同じもの | 日本語の文字が入ったロゴなら、英語版のロゴがあるか確かめる |
| 氏名 | YAMADA Taro | 姓と名の区別が分かる書き方にする |
| 肩書き | Representative Director | 社内で訳を1つに決める |
| 部署名 | Sales Department | 部署名を英語で持っていない会社は省いてもよい |
| 会社名 | 〇〇 Co., Ltd. | ホームページ・契約書の英語の社名と同じにする |
| 住所 | 小さい単位から大きい単位へ | 最後に JAPAN |
| 電話番号 | +81-75-XXX-XXXX | 国番号を付け、市外局番の頭の0を取る |
| メール・ホームページ | 日本語面と同じ | 日本語のドメインなら英数字のものも併記する |
氏名の書き方
姓と名の順番
政府は、各府省庁が作る公用文で日本人の名前をローマ字で書くときは、差し支えのない限り「姓・名」の順にすると、2019年10月25日の関係府省庁申合せで決め、2020年1月1日から実施しています。姓と名をはっきり区別したいときは、姓をすべて大文字にする(YAMADA Haruo)とされています。
名刺は公用文ではないので、どちらの順にするかは会社や本人の判断です。ただ、相手の国では名前の順が様々なので、次のどちらかの書き方にすると誤解が少なくなります。
- 姓・名の順で、姓を大文字:YAMADA Taro
- 名・姓の順:Taro Yamada(英語圏の相手には読みやすいが、どちらが姓かは伝わらない)
どちらを選ぶにしても、社員全員の名刺、メールの署名、ホームページの役員紹介で順番をそろえます。人によって順番が違うと、相手は同じ人の名前を別人と取り違えることがあります。
ローマ字のつづり
ローマ字のつづり方は、1954年の内閣告示で訓令式(si・ti・tu など)が基本とされてきましたが、2025年8月20日に文化審議会が「改定ローマ字のつづり方」を答申し、社会で広く使われているつづり方(shi・chi・tsu などのヘボン式)を採用する考え方が示されました。答申では、長音を符号で示さない場合は母音字を並べること、個人の名前や団体名は当事者の意思を尊重することも示されています(2026年10月時点で文部科学省の公表内容による)。
名刺では、次の点を決めておきます。
- 長音をどう書くか:大野(おおの)を Ono・Ohno・Oono のどれにするか。パスポートの表記と合わせる人も多い
- 「ん」の後ろの書き方:本間(ほんま)を Homma とするか Honma とするか
- 本人の希望を優先する:すでに海外で使っている表記があれば、そちらに合わせる
肩書き・部署名の英語
肩書きの英語には、法律で決まった訳はありません。参考になるのは、法務省の日本法令外国語訳です。会社法の英訳では、「代表取締役」は representative director、「取締役」は director と訳されています。
よく使われる表記の例をまとめます。どれを選ぶかは、相手に伝えたいこと(法律上の地位か、社内の役割か)で決めます。
| 日本語の肩書き | 法令の訳に近い表記 | 役割として伝える表記の例 |
|---|---|---|
| 代表取締役 | Representative Director | President/CEO |
| 代表社員(合同会社) | — | Representative Member/President/CEO |
| 取締役 | Director | Director |
| 部長 | — | General Manager/Head of 〇〇 |
| 課長 | — | Manager |
| 主任・担当 | — | 肩書きを付けず部署名だけにすることも多い |
部長・課長のような社内の役職は、会社によって権限の幅が違うので、英語の役職名だけで相手に正しく伝わるとは限りません。迷ったら、役職名より何を担当しているか(Head of Sales、Design Lead など)を書くほうが伝わります。
肩書きを決めたら、名刺・メールの署名・ホームページの英語のページ・会社案内で同じ表記にそろえます。見た目と表記をそろえる考え方は名刺・チラシ・サイトの見た目を揃える方法を参照してください。
会社名・住所・電話番号の書き方
会社名
株式会社は Co., Ltd. や Inc.、合同会社は LLC と書かれることが多いですが、英語の社名を定款やホームページで決めている会社は、それと同じにします。名刺だけ独自の英語社名にすると、契約書や請求書の社名と食い違います。
住所
英語の住所は、日本語とは逆に、小さい単位から大きい単位へ書きます。日本郵便も、国際郵便の差出人の住所を「氏名、建物名・部屋番号、番地、丁目・町村名、市区名、都道府県名、郵便番号、国名」の順で書き、国名は大文字にするよう案内しています。
書き方の例(架空の住所です):
〒600-0000 京都府京都市下京区〇〇町123 〇〇ビル5階
→ 5F 〇〇 Bldg., 123 〇〇-cho, Shimogyo-ku, Kyoto-shi, Kyoto 600-0000 JAPAN
- 建物名は Bldg. のように略してもよい。階は 5F のように書く
- 町名は日本語の読みをローマ字にし、-cho・-machi のような付け方を社内でそろえる
- 国名の JAPAN を忘れない
電話番号
海外からかけてもらう番号は、日本の国番号 +81 を付け、市外局番の頭の0を取って書きます。
- 日本語面:075-XXX-XXXX
- 英語面:+81-75-XXX-XXXX
携帯電話も同じで、090 で始まる番号は +81-90-… になります。
英語の表記を決めるときのチェックリスト
- 氏名の順番(姓・名か、名・姓か)と大文字の使い方を、全社員で統一した
- ローマ字のつづり(長音・「ん」の書き方)を本人に確かめた
- 肩書きの英語を決め、名刺・署名・ホームページでそろえた
- 英語の社名を、定款・契約書・ホームページの表記と照らし合わせた
- 住所を小さい単位から大きい単位へ書き、最後に JAPAN を入れた
- 電話番号に +81 を付け、頭の0を取った
- 英語のできる人か取引先に、一度読んでもらった
- 英語の書体を、日本語の書体と雰囲気の合うものにした(書体の使用条件はフォントのライセンスで注意すること)
まとめ
英語の名刺は、氏名の順番・ローマ字のつづり・肩書きの訳・会社名・住所の順番を社内で1つに決め、名刺だけでなくメールの署名やホームページとそろえることが大事です。政府の公用文は「姓・名」の順、住所は小さい単位から大きい単位へ、電話番号は +81 を付けて頭の0を取ります。名刺の費用の考え方は名刺デザインを頼むときの相場にまとめています。
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よくある質問
英語の名刺では、名前を「名・姓」の順にしないといけませんか。
どちらでもかまいません。政府は2020年1月から、公用文で日本人の名前をローマ字で書くときは「姓・名」の順にしています。名刺は会社の判断ですが、どちらの順にするにしても、姓を大文字にする(YAMADA Taro)など、どちらが姓か分かる書き方にすると相手が迷いません。
代表取締役は英語で何と書けばよいですか。
決まった訳はありません。法務省の日本法令外国語訳では、会社法の「代表取締役」は representative director と訳されています。海外の相手に役割を伝えたいときは President や CEO も使われます。大事なのは、ホームページや会社案内の英語と同じ表記にそろえることです。
住所は英語でどの順番に書けばよいですか。
日本語とは逆に、小さい単位から大きい単位へ書きます。建物名と部屋番号、番地、町名、市区町村、都道府県、郵便番号、国名(JAPAN)の順です。日本郵便も、国際郵便の差出人の住所をこの順で書くよう案内しています。