ロゴのコンセプト文の書き方|意味の説明をサイトや会社案内に載せる
ロゴが決まったあと、サイトの会社概要ページや会社案内、名刺交換の場で「このロゴにはどんな意味がありますか」と聞かれることがあります。そのときに答える内容が、聞かれるたびに違っていたり、担当者によって説明の重みが変わっていたりすると、ロゴの印象がぼやけてしまいます。
この記事では、ロゴに込めた意味を説明する文章(コンセプト文)をどう組み立てるか、どこに載せるか、誇張せずに書くための注意点をまとめます。デザイナーとの打ち合わせで言葉にした内容を、読む人向けの文章に書き直す作業だと考えると進めやすくなります。
コンセプト文を書く前に整理しておくこと
コンセプト文は、ロゴの形や色を思いつきで説明する文章ではありません。ロゴ制作の進め方で触れているとおり、制作の過程では「誰に、何を伝える会社か」を言葉にする段階があります。コンセプト文は、その言葉を公開用に書き直したものです。
書き始める前に、次の3つを手元に用意しておくと作業がスムーズになります。
- 制作時に合意した言葉(打ち合わせの記録、デザイナーからの提案書に書かれた一文)
- ロゴの形・色・文字の、それぞれが何を表しているか(例:角を丸くした理由、特定の色を選んだ理由)
- 誰に向けて説明するか(取引先、求職者、既存のお客様など読み手が変わると、強調する部分も変わります)
コンセプト文の型:由来→意味→形への対応
コンセプト文は、たとえば次の3段構成で組み立てられます。
| 段階 | 書く内容 | 役割 |
|---|---|---|
| 1. 由来 | ロゴを作った・作り直したきっかけ | 読む人が背景を理解する |
| 2. 意味 | 事業や姿勢をどう言葉にしたか | ロゴの中身を伝える |
| 3. 形への対応 | 言葉がどの形・色・文字に反映されているか | 見た目と意味をつなぐ |
たとえば「地域に根を張って長く続ける」という考え方をロゴに込めた場合、1の由来では事業の方向を一文で触れ、2の意味では「根を張る」という言葉をそのまま使い、3の形への対応では「その言葉をどの線や色で表したか」を説明します。この順番を保つと、読んだ人が形だけを見ても意味が追えるようになります。
誇張しない書き方
コンセプト文でつまずきやすいのは、意味を強く見せようとして実態と離れた表現になることです。次の2点に気をつけます。
- 断定を避ける:「業界で唯一の」「完全に新しい」といった言い切りは、根拠を示せないと誇張になります。「〜を目指して」「〜という考えを込めて」のように、意図として書くほうが実態に近づきます。
- 後付けの説明にならないようにする:デザイン案を選んだあとに意味を考えると、形と言葉が噛み合わなくなることがあります。制作の打ち合わせで合意した言葉をそのまま使い、新しく作り直さないようにします。
載せる場所と、場所ごとの長さの目安
コンセプト文は、1つの文章を使い分けるのではなく、載せる場所に応じて長さを変えるのが実務的です。
| 載せる場所 | 長さの目安 | 書き方の調整 |
|---|---|---|
| サイトの会社概要・about ページ | 3〜6行 | 由来・意味・形への対応をひととおり書く |
| 会社案内・パンフレット | 2〜3行 | 意味を中心に短くまとめる |
| 名刺の裏・ショップカード | 1行 | 意味だけを一言で |
| プレスリリース・リニューアルのお知らせ | 5行以上 | 由来を厚く書き、変更の背景まで触れる |
同じ内容を場所ごとに書き直す手間はかかりますが、短い場所に長い文章を詰め込むより、場所に合わせて削るほうが読まれやすくなります。
良い例・直したい例
| 直したい書き方 | 良い書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 「洗練された、新しいロゴです」 | 「〇〇という考えを、角の取れた形で表しました」 | 感想ではなく、意味と形のつながりを書く |
| 「業界No.1を目指すロゴ」 | 「お客様に長く使っていただくことを目指しています」 | 検証できない優劣より、姿勢を書く |
| デザイナー向けの専門語をそのまま転記 | 読む人が知らなくても分かる言葉に書き直す | 社内・制作側だけで通じる言葉は削る |
書く担当と更新のタイミングを決めておく
コンセプト文は一度書けば終わりではなく、会社案内の改版やサイトのリニューアルのたびに見直す場面が出てきます。誰が書くかを決めておかないと、そのたびに「誰に聞けばいいか」から始めることになります。
- 制作時の記録を残す:デザイナーや制作会社との打ち合わせで合意した言葉を、議事録やメールの文面として残しておきます。これが読む人向けの文章に書き直すときの土台になります
- 書く担当を決める:広報や総務など、サイトや会社案内の更新を担当する人が、記録を読み物向けに調整する役割を担うと、言葉のぶれを防げます
- 見直す機会を決めておく:事業の方向が変わったとき、サイトのリニューアル時、会社案内を刷新するときなど、見直すタイミングをあらかじめ想定しておくと、古い説明文がそのまま残る事態を避けられます
採用ページや求人媒体にロゴの由来を載せる場合は、取引先向けの説明文よりも短く、応募を考えている人が読んでイメージしやすい言葉に調整した版を別に用意しておくと、読み手に合わせた長さを保てます。1つの文章をすべての場所で使い回そうとすると、どこかで長すぎたり、意味が伝わりにくくなったりします。
まとめ
- コンセプト文は、制作時に合意した言葉を読む人向けに書き直したもの
- 由来・意味・形への対応の順で書くと、形だけ見ても意味が伝わる
- 断定や後付けの説明を避け、載せる場所に応じて長さを調整する
- 旧ロゴの説明は残さず、変更の経緯を伝えたいときは別のお知らせとして書く
コンセプト文をどう書けばいいか迷う段階から、サービスと料金では制作時の打ち合わせの中でコンセプトの言葉づくりまで含めて相談できます。制作事例では、自主制作のロゴについて実際のコンセプトの立て方も紹介しています。
よくある質問
コンセプト文は必ず公開しなければいけませんか。
義務ではありません。載せなくてもロゴとしては成立します。ただし、取引先や採用の場面で「なぜこの形・色なのか」を聞かれたときに、口頭での説明がぶれないようにする役割があるため、短くても文章にしておくと社内でも使いやすくなります。
デザイナーが考えたコンセプトと、自社で書く説明文は同じものですか。
別物として考えるのが安全です。デザイナーが制作時にまとめるコンセプトは、案を選ぶための言葉です。サイトや会社案内に載せる説明文は、読む人向けに書き直す必要があり、専門的な言い回しや社内でしか通じない背景は削って調整します。
ロゴを変えたとき、以前の由来の説明はどうすればよいですか。
そのまま残すと新旧の説明が混在して伝わりにくくなります。サイトや会社案内は新しい説明文に置き換え、変更の経緯を伝えたい場合は、お知らせのページなどに別立てで「リニューアルの理由」として書くほうが整理しやすくなります。